CX-8からCX-80「単なる新型」ではない進化の深さ マツダ独自の「3列シートSUV」が醸す世界観

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小型モーターボートをトーイングするデモンストレーション。理由は後述する(筆者撮影)
小型モーターボートをトーイングするデモンストレーション。理由は後述する(筆者撮影)

日本で数少ない7人乗りのラージサイズSUV、マツダ「CX-80」が発売された。マツダにとって、このクルマは極めて重要な存在だ。

では、なぜ重要なのか。開発陣からじっくり話を聞くとともに、さまざまな“舞台”で乗ってみて、その理由を探った。

結果的に、マツダのCX-80に対する想いと筆者のマツダに対する期待が一致するに至った。

ただ「マイルド」なだけじゃない

まずは神戸の旧居留地という舞台で、「CX-80 XD-HYBRID Exclusive Modern」に乗った。

京町筋の周辺で、15番館、商船三井ビルディング、38番館、神戸朝日ビルなどを巡りながら、時の流れを心の中で描写する。ここで感じたのは「上品さ」だ。

神戸市街から阪神高速3号神戸線に入ると、48Vマイルドハイブリッドを搭載する直列6気筒3.3リッターディーゼルが、静かでそして力強い走りをもたらしてくれる。

神戸の旧居留地にて。趣ある町並みにも似合っている(筆者撮影)
神戸の旧居留地にて。趣ある町並みにも似合っている(筆者撮影)

駆動方式は4WD。しかし、ハンドリングはFR(後輪駆動車)らしい切れ味があり、少ない操舵角度でも、こちらの思い通りの走行ラインをトレースする。

すでに市場導入されている「CX-60」では、タイヤを介する路面からの突き上げがやや強い傾向があったが、CX-80ではマイルドな乗り味になった。

しかし、“やんわりした”わけではなく、しっかりとした骨格と従来のサスペンションの基本設計思想を貫いたうえで、3列シートを持つCX-80のキャラクターに合わせたセッティングになったといえる。

「CX-80」のシートレイアウト。写真は6人乗り仕様(筆者撮影)
「CX-80」のシートレイアウト。写真は6人乗り仕様(筆者撮影)

開発担当者によれば、スプリングレートはソフト方向とし、ショックアブソーバーの減衰力を上げたという。

CX-80のボディ寸法は、全長4990mm×全幅1890mm×全高1710mmで、ベースとなったCX-60より全長で250mm長く、また全高で25mm高い。車重は2090kgあるが、クルマ全体が「大き過ぎる」とか「重ったるい」という印象はなく、あくまでも上質でプレミアム性のある仕上がりだ。

【写真】マツダの本気「CX-80」が持つ世界観
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