
スバルの狙いは、どこにあるのだろうか。
「クロストレック S:HEV(別名ストロングハイブリッド)」に、2025年1月、青森で試乗した。特徴は、トヨタのハイブリッド技術「THS」を一部採用したことだ。
クロストレック S:HEVは、2024年秋に特設コースでプロトタイプに試乗しており、小さなカーブが連続する山岳路や、英語でいう「マッドとラッツ(泥とわだち)」のコースで楽しい走りを見せてくれたことが、印象に残っている。
今回は、それに加えて市街地での初乗りがかなった。舗装路面では、どんな走りを体験させてくれるだろう。
「走りが足りない」の声に応えて
本来は、「雪道での操縦性(の高さ)を体験させたい」というのがスバル広報部の意図だったそうだが、あいにく道の除雪は完璧で、クルマが走る部分はほぼ完全にドライ路面だった。
クロストレックは、 「インプレッサ」をベースに開発されたクロスオーバー型の4ドアハッチバック車。ちょっと車高を持ち上げたうえで、ホイールハウスまわりやボディ下部に樹脂のクラッディングを配し、オフロード的(英語だとラギッド)な雰囲気が盛り込まれている。

スバルのこだわりである水平対向エンジンと、可能なかぎり「左右対称・一直線」に配置する「シンメトリカルAWD」が技術的な特徴だ(FF:前輪駆動モデルもある)。
2022年に、2.0リッターのマイルドハイブリッド(e-BOXER)を搭載して登場し、次いで2024年12月に、今回の「S:HEV」というストロングハイブリッドモデルが追加された。
「走りが足りない、とマイルドハイブリッドモデルのお客さまからの声がありました」と、スバルで車両運動開発部に籍を置く技術者は、ストロングハイブリッドモデル開発の背景を端的に説明する。
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