「なぜ兄だけに遺産?」親介護してきた"弟の絶望" 「お前に全て渡す」遺言ひっくり返った衝撃顛末

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②遺言書が複数ある場合、日付の新しいものが有効となる

遺言書が複数存在する場合、後に書いたものが有効です。

今回のように、2つの遺言書が存在し、矛盾する部分がある場合は、日付の新しいものが有効とされます。

自筆証書遺言であっても公正証書遺言であっても、関係ありません。公正証書遺言が優先されることもありません。

そのため、相続人にとっては「自分に渡すという遺言書があるから安心」というわけではないのです。

不公平な遺言書はおすすめできない

遺言は「故人の意思を尊重するためのもの」です。

「おふたりさまの老後」は準備が10割』を執筆した「終活の専門家」として言わせていただくなら、相続をスムーズにするために、どなたにも遺言書を書くことをおすすめしています。

しかし、「不公平な遺言」はその後の人間関係に必ず禍根を残すことになるため、内容については十分に考えることが重要です。

病気になったり体が弱ったりすると、誰しも気弱になるもの。

つい、現在進行形で世話をしてくれる人に頼りたくなるという気持ちもわかります。

Tさん、Kさん兄弟のようなケースは極めて遺憾ですが、元気だった頃のお父様の真意は「自分亡きあとも、子どもたちが幸せに暮らすこと」だったはずです。

「不公平な遺言」のせいで、結果的に兄弟の仲が悪くなってしまうというのは、残念でなりません。

自分が亡くなったあとのことは「準備次第」で180度変わる場合もあります。

遺言書を書くにしても、急な思いつきではなく、専門家に相談するなど「十分な準備」をしたうえで、「遺族が幸せになる道」を考えたいものです。

松尾 拓也 行政書士、ファイナンシャル・プランナー、相続と供養に精通する終活の専門家

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まつお・たくや / Takuya Matsuo

行政書士、ファイナンシャル・プランナー、相続と供養に精通する終活の専門家。

行政書士松尾拓也事務所代表、有限会社三愛代表取締役。

1973年北海道生まれ。父親が創業した石材店で墓石の営業に従事する傍ら、相続や終活などの相談を受けることが増えたため、すでに取得していた行政書士資格を活かし、相続・遺言相談をメイン業務として行うようになる。

信条は、相談者からの困り事に「トータルで寄り添う」こと。家族信託や身元保証など「新しい終活対策」についても積極的に取り組み、ライフプランや資産管理などの相談に応えるためにファイナンシャル・プランナー、住み替えニーズなどの相談に応えるために宅地建物取引士の資格を取得。ほかにも家族信託専門士、相続診断士、終活カウンセラー、お墓ディレクター1 級など、終活にまつわるさまざまな資格を取得する。

一人ひとりの「ライフエンディングシーン」(人生の終末期)で、最も頼りになるパートナーとなるべく、全方位視点で積極的な事業展開を行っている。

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