大事なことを伝えるには「たったの15秒」でいい 石田一洋アナウンサーが教える説明のコツ
例えば、
「今日、気象庁は東京でソメイヨシノが開花したと発表しました。平年より5日早く、去年より4日遅い開花です」
「メジャーリーグ、ドジャースの大谷翔平選手が、昨日行われたパドレス戦に出場し、2本のホームランを放ちました」
というような感じです。
リードは、ニュースの全体像を15秒以内の短い説明で伝えます。新聞などの文字コンテンツであれば、意味が分からないときには、また見出しに戻って読み直すことができます。
しかし、テレビのニュースは聞き逃しても、録画していない限り前に戻って再生することができません。必ず一度で伝えなければいけないのです。
そのため、「これからこんな内容のニュースを伝えますよ」と予告して、視聴者に情報を受け取る態勢を整えてもらう必要があります。リードを聞いて、興味のあるニュースであればより集中して聞くこともでき、興味がなければ聞き流すという判断ができます。
時間にしてわずか15秒程度ですが、その力は大きく、この短い説明だけでもニュースの概要をつかむことができます。
放送の尺がないときは、リードだけで伝えることもあるくらいです。15秒は、文字数にすると約75文字です。とても短い気もしますが、多くのテレビCMも15秒です。たったの15秒でも、しっかりと情報を伝えることができるのです。
ニュースのリードは説明に役立つ
ニュースのリードは、テレビの中だけで有効というわけではありません。リードは、説明にも役立てることができます。リードを取り入れることで、聞き手に分かりやすく伝えることができるようになります。
リードは、大事なポイントを15秒という限られた時間で伝えようとすることに大きな意味があります。
前回の記事で「聞き手は話の2割しか理解できないので、要点を絞りましょう」とお伝えしましたが、まさにそのポイントをクリアできます。何が一番重要なのか自分で理解していなければ、15秒で要点を伝えることはできません。
逆に言えば、リードの15秒で何を伝えるか考えることで、自分が一番伝えたい部分を明確にできているかもチェックできるのです。
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