自主映画「侍タイ」が異例ヒットした"4つの理由" 「カメラを止めるな!」と共通する「ヒットの法則」

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映画レビューサイトの評価は、客観的なように見えて、そうとは限らない。「期待したほどではなかった」と低い評価がつくこともあれば、「期待せずに見たら面白かった」と高い評価がつくこともある。

インディーズ映画は後者の評価が働きやすくなるし、まだヒットしていない映画であれば、応援の意味も込めて高い評価をつける人も少なくない。SNSの口コミも同様だ。

逆に、こうした映画は、ヒットするにしたがって、応援の口コミは減っていくし、批判的なコメントも増えてくる。

「カメ止め」の場合は、公開から約2カ月経った大ヒット中に、盗作疑惑の話題が浮上している。ちなみに、「カメ止め」に関してTwitter(現X)での話題量が最も多かったのは、盗作疑惑の報道が出た時である。

さらに言えば、「カメ止め」の3年後に上田慎一郎氏が監督・脚本をつとめたアニメ映画「100日間生きたワニ」は炎上し、レビューサイトでも低評価が相次ぎ、興行的にも成功したとは言い難い。

これは、原作マンガ「100日後に死ぬワニ」が炎上(感動を呼んだ最終回の直後に商業的なメディア展開を発表し、「最初から仕込みだったのか」などと炎上)したことがきっかけとなって起きた現象で、上田監督や作品に瑕疵(かし)があったわけではないのだが、「カメ止め」が大成功していなければ、ここまで叩かれることもなかったと思われる。

100日間生きたワニ
上田監督の別の投稿では、タイトルの変更も余儀なくされたことを明かしていた(画像:上田慎一郎監督の公式Xより)

冒頭で紹介した、上田監督のツイートは正しいが、「再現性がある」という安田監督の主張も正しい。低予算のインディーズ映画ならではの戦い方は、一度成功した後では通用しないということでもあるのだ。

「応援してもらう」ために必要なこと

劇場映画は、入場料、すなわち「売り値」を自由に設定できないと述べたが、価格が変えられないのであれば、顧客側の「支払う意義」を創出する必要がある。

『侍タイムスリッパー』は、3年間かけて制作されたが、安田監督は、X上に下記の投稿をしている。

安田淳一
私財を投げ打って映画に注ぎ込んだことを告白(画像:安田淳一監督の公式Xより)
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