自主映画「侍タイ」が異例ヒットした"4つの理由" 「カメラを止めるな!」と共通する「ヒットの法則」
こうした制約条件があるため、インディーズ映画を大ヒットさせることは、至難の業なのだ。だから、「カメ止め」が「奇跡」と称賛されつつも、「再現するのは難しい」と言われてきた。逆に言えば、制約条件を打破する、あるいは制約条件を前提とした打開策が見いだせれば、ヒットを生み出すことができるとも言える。
ヒット作品に共通する要素
「侍タイムスリッパー」と「カメ止め」がヒットを生み出した共通要素として、下記の点が挙げられる。
「作品の質が高い」というのは当たり前のことなのだが、メジャーな作品の中には、観客の評価が低かったにもかかわらず、ヒットした事例が少なからずある(あえて作品名は挙げないが)。
「面白ければヒットする」というのも間違いなのだが、インディーズ映画の場合は、これは必須条件だ。単純に面白いだけではなく、「口コミしたくなる」「人に薦めたくなる」「観客の期待を上回る」「映画賞を受賞する」「専門家・有名人・インフルエンサーが推奨する」といった要素がポイントになる。
「カメ止め」や「侍タイムスリッパー」は、ヒットする前段階で、
といった現象が起きたという共通点がある。
これらは、観客動員数を増やすことはもちろん、上映館が拡大したり、さまざまなメディアで紹介されて多くの人が作品を知るという、次のステップに進むうえで、重要なことである。
レビューサイトでの評価を見ると、「侍タイムスリッパー」は、映画.comで4.3、Filmarksで4.1(いずれも2024年9月27日現在)と評価は軒並み高い。現在の「カメ止め」の評価は特別に高いわけではないが、公開時はかなり高い評価がついていた。
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