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中国の対日輸出規制が直撃したタングステン、需給逼迫で価格が急騰、代替調達、リサイクル拡充を急ぐ日本企業の苦闘

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タングステンを用いた超硬製品(写真:三菱マテリアル)

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タングステンは数ある金属の中で最も融点が高く、鉄の2.5倍も重いといった特徴を持つ。炭素と結びつくことできわめて硬い性質になることから切削工具や金型などに用いられ、その用途は自動車や電子部品、鉄鋼など幅広い。しかし、そのサプライチェーンに重大な問題が持ち上がっている。
2025年2月の中国によるタングステンを対象とした軍民両用(デュアルユース)品目に対する輸出管理(輸出規制)措置をきっかけに需給が逼迫。25年11月の高市早苗首相による台湾有事発言に反発した中国政府は、日本を対象にパラタングステン酸アンモニウムやタングステン粉など超硬工具の主原料の輸出許可を出さなくなった。調達や製造の現場で何が起きているのか、打開策はあるのか──。

「タングステン原料の調達は、今までに経験したことのない困難に直面している」。超硬合金製耐摩耗工具・金型の製造販売を主力とする冨士ダイス(東京都大田区)の津田雅宣社長はそう打ち明ける。

原料である炭化タングステン粉末を、主に国内の原料メーカーを通じて調達し、自社でコバルトと混ぜ合わせて高温で焼き固め、超硬合金を製造。それを基にダイスやプラグといった工具や、製鉄用の圧延ロールなどの製品に仕上げている。取引先は自動車や鉄鋼、半導体をはじめとする電子部品、次世代光通信、製缶などさまざまな分野にわたり、3000社に及ぶ顧客基盤を持つ。

冨士ダイスでは、原料メーカーによる供給は継続しているものの、原料全体の供給数量が減っていることから、「現時点では、超硬工具や金型の生産や出荷はなんとか計画どおり実施できている。一方で、銅タングステン合金を用いた放電加工用の電極については一時的に受注をお断りしている状態だ」(津田社長)。

津田社長は「月ごとに状況が変化している」とし、「今後についても警戒感を持って対処していく」と語る。

中国がサプライチェーンを掌握

アメリカ地質調査所の調べによれば、世界のタングステン鉱石生産量の約8割を中国が占めている。中国は精錬など主要な工程でも圧倒的なシェアを持ち、レアアースと同じく世界の供給源を押さえている。

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