"悪口"が大問題に発展「キャリア喪失」の「まさか」 チャットや飲み会 愚痴は誰にでもあるが…

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「うちの社長、ボンクラで決断力がないんですよ。彼は一刻も早く辞任したほうがいい。来期は社長交代じゃないですか(笑)」

取引先の役員は「まぁまぁ」と言いつつも、明らかに引いている様子。「これはまずい」と慌てた部下たちは、「T常務の発言は、先方に経営が盤石でない印象を与えてしまったのではないか」と、人事に報告(密告)。Tさんの所業が白日の下にさらされることとなった。

この事態を重く見た人事担当役員は、役員会議にかけ、Tさんの処分が決定。1カ月後の人事発令のタイミングで、「常務の役職を解く」旨を言い渡した。

「単なる飲みの場の言動で、なんでこんな目に遭うんだ! だからこの会社はダメなんだ」と憤慨したTさんは、人事発令が出る前に退職。最後まで悪態を披露しながら去っていった。

悪口に乗っかった側も同罪に

まさか"悪口"がきっかけで、職を追われることになるとは、誰しも思いも寄らないだろう。

もちろん、内輪の集まりで会社の愚痴を漏らしたり、他者への批判を口にしたりすることは誰にでもあるし、それは大した問題にはならない。

だが、キャリアを失うほどの大問題に発展するのは、その言動が会社や社員に"損害"を与えたときだ。K係長やT常務が、そのいい例だろう。

もう一つ、気をつけたいのは、相手の悪口に一緒になって盛り上がってしまうことだ。

もし仮に、K係長やT常務の部下たちが、社内チャットや飲みの場で一緒になって、悪口を言い合っていた場合……。それが万が一、表沙汰になれば、悪口に乗っかった部下の側も"同罪"になる可能性がある。

たかが悪口、されど悪口――。口は災いの元と言うが、不用意な発言で自身のキャリアを棒に振るようなことがないようにしたい。

萬屋 たくみ 会社員(人事部長)

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よろずや たくみ / TAKUMI YOROZUYA

人事歴20年以上。大学卒業後、証券会社を経て、米国にMBA留学。経営視点からの人事戦略について学びを深める。帰国後、大手メーカー(売上高数兆円規模)の人事職に。国内外の拠点にて、採用から教育、人事異動、評価・報酬、労務など人事全般を手がけるほか、日々降りかかる社内の難題に取り組む。それらの実績と問題解決力が買われ、異例の30代で本社人事部の部長職に。さらに幅広い業界・業種で経験を積むため、総合商社やメーカー(外資・ベンチャー含む)にて、人事部長として組織づくりや改革に力を注ぐ。

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