100%のパッションがあれば何でもできる、99%ではダメだ--吉田潤喜・ヨシダグループ会長兼CEO
米国にあこがれ、1961年に単身渡米。空手道場を開いたが、不況のあおりで経営が悪化。起死回生を目指して発売した「グルメソース」が米国で大ヒット。その後、4回破産しかけながらも持ち前のバイタリティで困難を乗り越え、ヨシダグループを全18社、年商約250億円の企業グループに育て上げた。派手な衣装でメディアに登場するその姿は全米でも有名で、「イチローの次に有名な日本人」と呼ばれることも。最近、『ヨシダソース創業者 ビジネス7つの法則』を出版。日本のビジネスパーソンに熱いエールを送る吉田潤喜・ヨシダグループ会長兼CEOに話を聞いた。
--今回来日されたとき、日本では企業におけるガバナンスが問題になっていました。経営トップの出処進退は難しい問題ですね。
マッカーサーの名言を思い出してほしい。Old soldiers never die; they just fade away.「老兵は死なず。ただ消え去るのみ」。
トップが静かに消え去るとき、すでに次世代へのバトンタッチが行われている。次のリーダーをつくるのは、現在のトップの社会的責任。まだまだ下の者には任せられないといって地位にしがみついたり、去ったはずの者があれこれと口出しするのはダメだ。そんなことをしていたら、若い世代の夢がなくなる。
たとえば、家具が多くなったので、広い家に引っ越したとしよう。当初、新居はスペースだらけで、何か物足りない感じがする。ところが、しばらく経つと空いているスペースも家具やモノで埋まっていく。
会社も同じこと。自分は50歳のときに社長職を退いて、会長という役職をつくった。そのとき、次期社長を決めず、社長不在の会社にしておいた。社長職をブランクにすることで、それにふさわしい人材がわき上がってくるのを見たかったのだ。そして、その狙いは見事に成功した。
--まずは、やらせてみることが大切だと。
若い世代はどんどん挑戦して、失敗したらいい。そこから学ぶことはたくさんある。何くそ! 次は負けないぞ! というパッションがわき起こってくる。自分はこれまで4回も破産しかけた。思い余って、ピストルを頭に突きつけたこともある。