N-VAN e:の価格(税込み)は、243万9800円~291万9400円。ガソリン車の価格(税込み)が136万5100円~201万6300円だから、やはりBEV版のほうが全体的に高い。ただし、国や地方自治体の補助金を使えば、個人でも200万円以下で購入できる場合もある(自治体やモデルによって異なる)。そのため、企業だけでなく、個人が購入する場合も、価格面ではかなり魅力的だ。
実際に、ホンダによれば、2024年8月末現在、N-VAN e:を予約しているユーザー全体の約半数が、乗用ユースの個人や個人事業主なのだという。なお、この傾向はガソリン車でも同様。BEVでも、レジャーなどの用途に使いたいユーザーも一定数いるようだ。
BEV特有の課題、充電設備について
ただし、BEVの場合、自宅にEV用充電器を設置できるかどうかも課題だ。例えば、筆者の場合、駐車場は自宅内になく、やや離れた場所に借りている。そのため、自宅に充電器を設置しても、夜間などにN-VAN e:を充電することはできない。こうした問題は、例えば、マンションなど集合住宅に住んでいる人なども同様だろう。駐車スペースは、マンションの共用スペースとなり、もしEV用充電器がない場合、新たに設置するには、管理組合などの承諾が必要なケースも多いと聞く。
ともあれ、N-VAN e:を乗ってみて感じたのは、走りはもちろん、航続距離など、性能面でもBEVの実用度が増してきたこと。だが、まだまだ充電設備などについては、課題も多い。自宅はもちろん、出先でも充電設備がない、または不足しているなどで、行き先を制限されるケースもあるだろう。より多様なユーザーがBEVを選択するには、インフラなどのさらなる整備も必須だといえる。
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