ホンダ新型「N-VAN e:」商用軽EVとしての特異性 徹底的に配送ドライバーを考えた電動化の姿

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2024年10月10日に発売となったホンダの新型軽商用EV「N-VAN e:」
2024年10月10日に発売となったホンダの新型軽商用EV「N-VAN e:」(写真:三木宏章)

2018年7月、ホンダは軽商用バンである内燃機関モデルの「N-VAN」を発売した。同社の軽ミニバンである「N-BOX」のプラットフォーム(クルマの土台)をベースに商用車向けに開発し直すことで、足元側に助手席を収納し、さらにリアシートも前倒しすることで、テールゲートからフラットな積載スペースを実現した。

加えて、助手席側のBピラー(前ヒンジドアと後スライドドアを支える柱)を取り払うことで、大きな開口面積を獲得。車両横位置からも荷物の出し入れをスムースにした。

【写真】ホンダの軽商用EV「N-VAN e:」の内外装をチェック。ライバルの三菱自動車「ミニキャブEV」やASF「ASF2.0」もあわせて確認する(25枚)

電動化を図ったBEVモデル「N-VAN e:」

そのN-VANをベースに電動パワートレーンを完全移植したBEVモデルが「N-VAN e:」(前輪駆動で29.6kWh)だ。BEVではバッテリーによって車内スペースが犠牲になることも多いが、N-VAN e:の場合は電動化に伴って犠牲になる積載スペースはなく、内燃機関モデルのN-VANと同等の積載容量を確保している。床下に搭載する二次バッテリーの容量は29.6kWhと競合する三菱「ミニキャブEV」(前輪駆動で20.0kWh)と比較して約1.5倍も大きい。

N-VAN e:のライバルになる三菱の「ミニキャブEV」
N-VAN e:のライバルになる三菱の「ミニキャブEV」(筆者撮影)

軽商用バンのBEV市場には中国も参入している。ベンチャー企業「ASF」が2023年から導入する「ASF2.0」(後輪駆動で30.0kWh)がそれだ。佐川急便をはじめ複数の日本企業での実証テストを行ったあと、現時点ではリース車両として日本の道を走る。

ASF2.0は軽自動車規格にピッタリ収まるスリーサイズで、車両重量1130kg、最大積載量350kgとN-VAN e:やミニキャブEVのガチな競合車だ。一充電当たりの走行距離(AER)は243㎞だが、これはJARI(日本自動車研究所)による測定値であり、WLTC値とは測定方法が若干異なる。

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