ホンダ新型「N-VAN e:」商用軽EVとしての特異性 徹底的に配送ドライバーを考えた電動化の姿

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頻繁なストップ&ゴーも軽商用バンの評価ポイントだ。660ccとはいえNAエンジンが主流、しかも積載を考えたギヤ比なので軽乗用と比較すればローギヤード化され、結果エンジンは終始うなり気味。わかりやすくうるさく、上下左右に身体は常に揺さぶられる。若かったので体力もあったが、それでも夕方にはグッタリだった。

商用車でありながら乗用車的な乗り味

N-VAN e:の試乗シーン
N-VAN e:の試乗シーン(写真:三木宏章)

N-VAN e:最大の特徴は使い勝手をそのままにBEV化したことだ。働くクルマの環境を意識して、これまで普及してきた内燃機関の軽バンと同じような動力性能になるよう、あえて出力特性をなだらかに設定している。余力はすべて電費性能の向上に当てた。

乗り味は最新のホンダBEVそのもので、乗り心地から電動パワーステアリングのフィールまで、従来の商用軽バンとは180°異なり乗用車のようなフィーリング。ここは競合のミニキャブEVやASF2.0に対するアドバンテージだ。

N-VAN e:のインパネまわり
N-VAN e:のインパネまわり(写真:三木宏章)

商用に特化した、なだらかな加速特性の走行モードは、時間に追われるルートセールス業務にも適している。月末になると数字が足りない焦りから、どうしてもアクセルペダルの踏み込み量が多くなる。しかしこれは、荷崩れを誘発する運転に直結するため積荷に対して優しい運転ではなくなってしまう。

その点、N-VAN e:は、決められた閾値まではラフなアクセル操作に対しては、じんわりとした加速度に抑えて走る。一方で、急加速が必要とされるような踏み込み方を検出すると、持てる力をすべて出し切り応えてくれる。その切り替えが非常にうまく、N-VAN e:と一緒に成績アップを目指しているようで心強い。

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