ホンダが「今あえてマニュアル車」にこだわる意味 MT専用グレード「シビックRS」の仕上がりは?

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8月1日に「スポーティーな走りを気軽に楽しめるRSを新たに設定」として改良シビックの情報が公開された(写真:本田技研工業)
8月1日に「スポーティーな走りを気軽に楽しめるRSを新たに設定」として改良シビックの情報が公開された(写真:本田技研工業)

ホンダ「シビックRS」のプロトタイプに試乗した。2024年9月に発売を予定しているこのクルマは、マニュアル変速機(MT)の新設グレードで、エンジニアは「MTの理想型」と話す。なぜ、ホンダは今になってMTに力を入れるのだろうか。

シビックRSという名前を聞いて、年配のファンなら1974年の「シビック1200RS」を思い出すかもしれない。出力を上げたエンジンと、当時としてはめずらしかった5段マニュアル変速機を搭載した、初代シビックの派生モデルだ。

1972年に発売された初代シビックRS(写真:本田技研工業)
1972年に発売された初代シビックRS(写真:本田技研工業)

この1200RSは、エンジニアたちが“いっちょ、ホンダのスポーツ魂でも見せてやるか”という気持ちで作ったのではないかと思っている。なにしろ、ホンダは1968年までF1に自製のマシンで参戦していたのだ。

1974年に発売された1200RSは、5段MTにスポーティなサスペンションシステム、当時はハイスペックカーの象徴だったフロントディスクブレーキやラジアルタイヤなどがおごられていた。開発車の目論見はあたり、「速くて楽しいクルマ」として、市場で高い評価を受けた。

ところが、モデルライフは極端に短かった。アメリカ市場を重視していたホンダは、1975年にはEPA(米国環境保護庁)からマスキー法1975年規制適合認定を受ける必要があったため、スポーティなエンジンの廃止を決定したからだ。1200RSは1975年、つまり約1年で生産中止となってしまったのである。

2000年代に復活したRSのネーム

ホンダは、しかし、その後もおりにふれてRSのサブネームを使い続けた。2007年には「フィットRS」、2015年に「ジェイドRS」、2016年に「ヴェゼルRS」、そして2017年に「N-ONE RS」という具合に。

「N-ONE RS」も6段MTの搭載で話題となったモデルだ(写真:本田技研工業)
「N-ONE RS」も6段MTの搭載で話題となったモデルだ(写真:本田技研工業)

RSの名称は、一般的に「レーシングスポーツ」の略として使われている。ポルシェやアウディで見られるように、サーキット走行を主眼においたようなカリカリのスポーツモデルでたとえばポルシェは「911GT3 RS」を手がけている。

【写真】新型シビックのマニュアル専用グレード「RS」その姿を見る
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