受験勉強が激変?「受験サプリ」の破壊力

リクルートは何を目指しているのか?

カリスマと呼ばれる講師の方も、「あ、そういうところに自分の授業の課題があったのかもしれない」と思えることは、よい先生がさらによい先生になるというフィードバックループの仕組みが機能していることだと思います。また、一連の内容をビッグデータを活用して解析していくことで、子どもは何がわかっていて、わからなかったらどの授業に戻る必要があるかということの適切なリコメンドのアルゴリズムも一部実装しています。このマッチング精度を高めていくことが、最終的には勉強の生産性を上げることにつながると考えています。

――「受験サプリ」でいちばん人気のある授業は?

英語、数学ですね。特に関正生先生の英語は人気があります。また、古文の授業も、受験必須科目になっていることと、単語に苦手意識がある子が多いようで人気が高いですね。

塾と「受験サプリ」を賢く使い分ける

山口文洋氏

塾に通うとなると1科目当たりの費用が高いですよね。塾で5教科とる人はいないと思います。そのため、塾ではとても苦手な数学の授業をとり、「受験サプリ」では化学や古文を受講する子もいます。

高校生以外の利用では、たとえば大学の教育学部の授業での事例もあります。とある大学の教育学部の教授が、これから小中高の先生になろうとしている先生の卵の学生たちに、ITインフラをどのように学校で生かしていくべきか、自分の武器にすべきかを「受験サプリ」を用いて教えていると聞きました。

――利用者はスマホで見ているのでしょうか。

スマホ6割、PC4割ですね。今後はスマホシフトになっていくと思います。すべての動画が10分前後でまとめられていて、すき間時間で見られるのが特色です。

ちなみに、動画を見ている子どもたちは、けっこうな比率で1.4倍速で見ているのです。実はこれは高校生からの要望で新たに追加した機能で、いろいろな速度で見られるようにしました。理解が難しいところはゆっくり見たり、何度も見返したり、逆に理解が進んでいるところは倍速でどんどん進めるのでストレスがないようです。

――塾などと比べると月額980円というのは非常に安価ですが、事業の採算に見合うのでしょうか。

会員数がもっと増えていけば、コストは下がり、損益分岐点を超える収益が得られるようになると思っています。長期的視野に立ってよいコンテンツを作り、その過程で必要な投資を行うことが重要だと考えています。

今は「受験サプリ」に加え、小中学生向けの『勉強サプリ』も展開しています。利用対象者は小学生から高校生まで、幅広くいらっしゃいます。この中で、ひとりでも多くの方に使っていただけるサービスを、どれだけ私たちが磨けるかがポイントになると思っています。

――980円ですから、経済的な理由でこれまで十分な教育を受けることが難しかった家庭の子どもも使えそうですね。

私たちはもともと、経済的理由や地域的理由で、塾や予備校に通えないといった教育環境格差の是正をしたいという思いから、サービスをスタートしました。経済的な理由で十分な教育を受けることが困難な家庭の子どもは、現在、全国に約60万人いると言われています。そういった子どもたちもサポートしていきたい、そう思っています。
 

(撮影 : 尾形 文繁)

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