現在、「受験サプリ」には、51編、無料で視聴できる藤原さん監修の「よのなか科」(正解がひとつではない、社会の問題を考える学習)の動画を載せています。動画をどう授業で使ったらよいかという先生のための手引書や、生徒が使うディスカッションシートも無料で提供しています。
それ以外にも、マイケル・サンデル教授の「白熱教室」を高校生版に再編集したものや、プレゼンテーションの授業でも世界的に著名なガー・レイノルズ教授の動画や、プログラミングを学べる動画も載せています。最終的には、小中高生版TEDを作りたいと思っています。
――もはや「受験」だけではないですね。
そうなんです。「受験サプリ」は、受験だけではなく、違う可能性を秘めていると思っています。
――受講生は主に高校生ですか?
やはり受験向けのサービスから開始しているので、高校生が多いですね。大学受験者は毎年約60万人いて、そのうち高校3年生の約半数が「受験サプリ」を利用してくれています。毎月980円を支払って有料コンテンツを見てくれている子が現時点で約16万人。各都道府県での利用率は、人口比率とほぼ変わりません。
海外にいる高校生も利用している
「受験サプリ」のログをみると、世界各国からアクセスがあることがわかります。保護者の方の転勤などで海外にいる高校生は、日本の大学に進学する場合には受験勉強が必要になるため、そのような子たちの利用も多いのだと思います。今までは通信教育の講座をおじいちゃんおばあちゃんにパッキングして海外まで発送してもらうなどと、よく耳にしていましたが、「受験サプリ」ではネット上で完結するため、その必要がありません。
今年3月には高校生に加え、小中学生向けに「勉強サプリ」というサービスを開始し、こちらも利用者が増えています。
――「受験サプリ」はどのような成績の子が利用していますか?
利用している子の学力はばらばらで、現状は能動的にセルフマネジメントできる子たちが利用している印象です。使い方もそれぞれで、予備校に通いながら補完ツールとして利用している子もいます。自分から主体的に「受験サプリ」をやりたい!と言って利用している子どもたちはとても高い利用率です。アプリ上で滞在する時間はウェブサービスの中でも非常に長く、リテンションが高いサービスだと思っています。そこは自信を持っています。
――リクルートは異業種からの教育業界への参入ということになります。リクルートだからこその強みはあるでしょうか。
私たちは、インターネットやウェブでサービスを作ることへのこだわりがあります。授業動画ひとつとっても、毎日ログをモニタリングし、改善を繰り返しています。どの先生のどの学年のどの授業のどのコマが見られているかもすべて見ながら、コンテンツも考えています。
「受験サプリ」は一流のカリスマ講師の方々に授業をお願いしています。先生方は皆さん、ご自分の授業に自信のある方ばかりです。しかし、「受験サプリ」を配信し始めると皆さん驚かれました。たとえば、視聴データを見ていくと、視聴率が授業中のある時点でばっと落ちるときがあります。たとえば先生が黒板から離れてしまったり、先生が「みなさん、ちょっと30秒考えてごらん」と問いかけたときです。
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