ドンキが「ブルーノ・マーズ」CMを流す深い理由 「まじめにふざける」企業の地道な改善の結果だ
これも大きな意味では、インバウンド店舗の改善につながっているだろうし、PPIH全体の「細やかな改革」がよく現れている一例だろう。
「まじめにふざける」ドンキはどうなっていく?
こうして、一見すると派手で猥雑なイメージを持つドンキだが、その裏では堅実な改革を進め、35期連続増収を果たしてきた。その企業としてのあり方は、まさにブルーノ・マーズのCMに現れている。
一見すると、「ネタか?」と思われる一方、そこにはインバウンドに向けた着実な戦略がある。その二面性がおもしろい。それは、いわば「まじめにふざける」ことを地でいっているのかもしれない。
そういえば、PPIHといえば、現会長・安田隆夫氏の息子・安田裕作氏が取締役に就任することも話題。というのも、裕作氏、22歳なのである。東証プライム上場の企業が20代を取締役にするのはきわめて珍しい。
将来的に経営者になるには、まだ何年もかかるだろうが、この発表には、「結局、同族経営なのか」や「先行きが不安」という声も出ている。また、ブルーノ・マーズのCM同様、ある種の注目集めだと思われている節もある。
しかし、もちろん狙いはある。PPIHの取締役会は、20代を中心とする若い世代の感性を取り込むための方策だと説明し、今後のドンキ利用者層を見据えた上での策であることが明らかにされている。この決定も、ある意味で「まじめにふざける」ドンキの一つの現れなのかもしれない。
小売業の様々な固定観念を壊してきたPPIH。CM戦略や人事戦略を含め、これらの「まじめにふざける」戦略がどうなっていくのか、注目だ。
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