ドンキが「ブルーノ・マーズ」CMを流す深い理由 「まじめにふざける」企業の地道な改善の結果だ
まず、いきなりブルーノが出てくる。彼はサングラスをかけ、「Japan」と描かれたスカジャンを着ていて、「ドンキイクヨ」と歌う。歌詞という歌詞はなく、とにかく「ドンキイクヨ」という言葉がブルーノの低い声でリピートされる。
その間、映像ではブルーノがダンサーの女性たちとドンキに入り、店内をダンスしていく。この店舗は渋谷店。インバウンドの需要がきわめて多い店舗の1つだ。
映像の中には、ドン・キホーテのマスコット、ドンペンも。ブルーノとドンペンが、一緒に通路を歩いてやってくるのだ。ドンキファンにとっては夢のような瞬間だと言わざるを得ない。
しかもブルーノ、ドンペンのよちよちした歩き方を真似していて、これがめちゃくちゃ可愛い。これだけでも見る価値がある。
これまでもブルーノの曲が日本企業のCMで使われることはあった。しかし、実際に本人が出演したことはない。なぜ、ドンキのCMへの出演が決まったのか。これには、ブルーノが大の親日家であること、中でも大のドンキ好きであることが大きい。ブルーノにとってみれば大好きなドンキのCMを、ということで心良く引き受けたのだろう。
これはもちろん、ドンキにとっても嬉しいこと。というのも、ドンキが現在目指している方向に、またとなくマッチする人選だったからである。
ドンキを「日本で立ち寄るべき場所No.1」にする
これを紐解くために、ドンキを運営するパン・パシフィック・インターナショナルホールディングス(PPIH)の最新決算を紹介しよう。
大前提として、PPIH、業績がとても好調である。35期連続増収という、日本企業としては他に類を見ない成長ぶりなのだ。8月16日に発表された、2024年6月期の決算では、売上高が2兆0950億円と、初の2兆円を突破。小売業では4位となった。
そんな今期の成長を支えた要因の1つが、インバウンド需要である。
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