過去の「ジェットコースター相場」意外な"その後" 戦後の相場データを基に推移を調査した結果

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第2次世界大戦後、東証が再開したのは、1949年5月16日です。直近の8月21日まで通算すると1万9656日の立会日を経験しましたが、日経平均株価の1日の騰落率が10%を上回ったのは、今回を除くと、下落と上昇、それぞれで3回ずつでした。そこで、当時を振り返って、その後の日経平均株価の騰落率をまとめてみました。

上段表は「1日の下落が10%を超えた日」、下段表が「1日の上昇が10%を超えた日」です。その後の20立会日(約1カ月)後までと40立会日(約2カ月)後までを見ると、特徴的な傾向が見られました。

上段の1日の下落が10%を超えた日の後の相場は上昇する傾向、1日の上昇が10%を超えた日の後の相場は下落する傾向がありました。大きな下落を経験した後は、その反動からその後の株価は上昇します。逆に、大きな上昇を経験した後は、その反動で下落する傾向です。

ジェットコースター相場後は、堅調な相場が期待

ところで今年8月は、5日に大幅下落、6日が大幅上昇と、下落と上昇を共に経験しました。このため上表の結果では、その後、下落と上昇のどちらの影響が強いのかがわかりません。

そこで、次表の分析を行いました。「月内において、1日の日経平均株価の騰落率が5%を超えて、上昇と下落の“両方経験”した月の翌月以降の騰落率」を見たものです。

対象となった月は今回を除いて32カ月ありました。上表からその後の平均騰落率を見ると上昇しています。また、対象月のうちその後に上昇した月の割合を見た「勝率」についても、6カ月後までで75%と高い割合となるなど、その後の上昇傾向の強さが見られます。

過去の傾向から見ると、ジェットコースター相場後は、堅調な相場が期待されます。

吉野 貴晶 マネックス証券チーフ・マーケット・アナリスト 兼 マネックス・ユニバーシティ 投資工学研究学長

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よしの たかあき / Takaaki Yoshino

金融情報誌「日経ヴェリタス」アナリストランキングのクオンツ部門で、記録的となる16年連続で1位を獲得した後、国内系運用会社で投資工学開発センター長を経て、現職。社会人として歩みを始めて以来、一貫してクオンツ計量分析、データサイエンス、AI(人工知能)を活用した証券市場の分析に携わる。大学共同利用機関法人 統計数理研究所のリスク解析戦略研究センターで客員教授を兼任。青山学院大学大学院国際マネジメント研究科(青山ビジネススクール)にて客員教授、学術フロンティア・センター特別研究員。経営戦略、企業評価とポートフォリオマネジメントの授業の教鞭も取る。博士(システムズ・マネジメント)。日本ファイナンス学会理事、日本金融・証券計量・工学学会(JAFEE)理事。2025年9月より現職。

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