「株価の大暴落」の影響は本当にもう収まったのか 今後の生活にどのような影響があるのか?

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(撮影:今井康一)

日本を震源地とする株価大暴落が、やや落ち着きを取り戻しつつある。日銀による利上げがサプライズになったことに加えて、8月2日深夜に発表されたアメリカの雇用統計が経済の先行きに懸念材料となり、ドル円の為替市場は大きく円高に振れて、8月5日の日本株は大きく下落した。日経平均株価は、1987年のブラックマンデーを超える史上第1位の下落幅となってしまった。

株式市場の大暴落は、それを誘発した為替相場の大きな変動だけにとどまらず、金価格や暗号資産といった他の金融マーケットの動きにも大きく関係した。株価暴落の影響の大きさを改めて認識した人も多かったのではないだろうか。そこで考えてみたいのが、金融市場、とりわけ株式市場の大暴落がどんな影響をもたらすのか、我々の生活にどんな影響を与えるのか考えてみたい。

金融政策の影響がもたらす経済の歪み?

為替市場が大きく変動をすることによって、株価や金利が大きく動くことは、これまでの歴史でも明らかだ。

たとえば、日本などの蔵相5カ国が疲弊していたアメリカ経済を救済する目的で意図的にドル安に誘致した、1985年の「プラザ合意」では、それまで「1ドル=250円」程度だったのが、一気に「1ドル=120円」程度にまで円高が進行した。逆に言えばドルが暴落したわけだが、日本ではその影響として1980年代後半の「バブル経済」となって現れ、日本経済は大きな混乱をきたした。

急激な円高によって輸出産業が大きな打撃を受け、日本は未曽有の不況に陥るだろうと判断した日銀や大蔵省(当時)が、金利を大きく引き下げて放置したために、株価や不動産価格が急激に上昇。日本は経験したことのないバブル景気を迎えてしまった。

日本のバブルはドルの暴落によって生まれた、といっても過言ではないだろう。その後、バブル崩壊によって日本は30年以上も苦しむことになったわけだが、金融マーケットの大きな変動は、その国の金融政策や我々の生活にも大きな影響を与えることがわかる。

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