「株価の大暴落」の影響は本当にもう収まったのか 今後の生活にどのような影響があるのか?

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①金融危機は連鎖する

株価が大きく下落してもすぐに戻ってしまえば、影響は少ないだろうと思いがちだが、金融市場はそんな単純なものではない。たとえば、オプション取引や先物取引といった「差金決済」の投資家が大きな影響を受ける。FX口座で為替の売買をしている人も、今回の急激な円高で、円売りに賭けていた投資家の中には、強制的に取引を終了させられる「ロスカット」を経験した人もいるはずだ。

ロスカットされれば、その場で損失が確定されるため、損失の補填に追われることになる。株式市場でも、個人投資家が好むグロース市場などは「信用取引」の追証に追われた人も少なくなかったはずだ。変動幅が異常に大きくなった場合には、大きな損失を出す投資家もいるということだ。

とりわけ、今回のような大きな変動幅では、ヘッジファンドなどの機関投資家が大きなダメージを受けたはずだ。経営破綻につながる大きな損失を出す可能性もある。リーマンショックのきっかけも、アメリカ大手の投資銀行「ベアスターンズ」の子会社だったヘッジファンドの破綻が前兆となって現れた。特定のヘッジファンドが、やがて市場全体の危機に連鎖することがある。

他の金融マーケットの価格にも影響

さらに注目したいのは、特定のマーケットの大暴落は他の市場にも波及するということだ。今回の日本株の大暴落では、仮にこのまま短期間で終了したとしても、明らかに他の金融マーケットの価格にも影響を及ぼした。株価暴落の原因の1つとなった為替市場はともかく、株式市場が下がると他の金融マーケットの価格もつられて下落するという図式となった。

たとえば、金相場やプラチナ相場といったコモディティ価格も下落し、さらに景気が低迷し需要が減るだろうとの見込みから原油価格までもが大きく下落。ビットコインなどの暗号資産も大きく乱高下。唯一、債券相場は金利が下がるということで影響は受けなかった。

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