今回の株価大暴落でも、原因の一端が日銀の植田総裁の「金利は継続してあげていく」といった発言によるものであると指摘されているが、今回の株価大暴落の原因となり、日本の金利引き上げが今後遅れてしまい、再びすさまじいバブル経済を招くような事態も考えられる。日銀が、今後も政府やマーケット関係者、マスコミの影響を受けずに、データに基づいた適正な政策判断をすることを祈るばかりだ。
アルゴリズムや高頻度売買による大暴落?
そもそも今回の大暴落の原因は、円キャリートレードの解消による円高が引き金になったという説もあるが、現在の相場はいわゆるコンピューターによるアルゴリズム売買や高頻度売買(ハイフリークエンシー・トレード)と呼ばれる超高速の自動売買プログラムが、その引き金を引いた可能性がある。
人間による売買に比べて、コンピューターによる高速売買は市場のボラティリティー(変動幅)を「増幅」させる傾向が高い。わずかな材料でも、プログラムが売買材料と判断した段階で大きな変動をもたらしてしまうわけだ。そういう意味では、今回の株価大暴落は大きな転換点となる材料が見当たらないにもかかわらず、大きく市場が動いた。アルゴリズムや高頻度売買が価格変動を増幅させたと考えるのが自然だろう。
1987年10月19日に起きた「ブラックマンデー」のような、瞬間的なものだと考えたほうがいいのかもしれない。とは言え、これだけ株価が大きく動くと様々な影響が出る。市場価格の過度な変動は、必ずどこかに歪みをもたらし、後になって表面化してくる。
とはいえ、その影響が事前にわかれば混乱はないわけで、市場変動の歪みがどこに表れるかは注視していくしかない。具体的には、「金融市場自体の変化」と「市場以外の経済全体に与える影響」に分けて考えたほうがいいかもしれない。まずは、金融市場内部にもたらすさまざまな影響について考えてみよう。
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