8月初めから大荒れの金融市場だが、焦点はあくまでアメリカ景気。その行方の見極めが大事だ。
パリ五輪が閉幕し、日本勢は金メダル20を含む45のメダルを獲得した。夏の高校野球は準々決勝までに優勝経験校の全敗退と混戦で盛況。一方で酷暑に台風、南海トラフ地震への懸念と心休まらない夏でもあった。それでも秋に向けた準備は進んでいる。
金融市場もそう。8月5日の日経平均株価は前週末比4451円下落し、1987年のブラックマンデー超えの下げ幅となった。この下落で明らかになったことは2つ。第1は強気の金融市場だったが、多くの市場参加者はリスクを強く感知していたこと。第2は金融商品全般で感応度の高い展開とその後の狼狽売りから、海外投資家による市場下支えと日本の個人投資家層の広がりがあったことだ。
今回の暴落の根源はアメリカにある。アメリカの株価暴落のあおりを受けたのが日本株の暴落である以上、アメリカの状況をよく見る必要がある。
景気後退の下げ相場の始まりではない
米SPX(S&P500指数のレベルを表す数値)は7月に5667のピークに達し、8月5日に5119で底を打っている。この調整は確かに相当のものだが、高値から底値まで10%程度の変動では通常、暴落とは見なされない。
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