「株価が高いから」と投資しなければ好機を逃す訳 大相場が始まってしまえば大底狙いは無理

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景気サイクルなどと紐づけて考えれば、経済のしくみは意外とすっきり理解できます(写真:taa/PIXTA)
「投資はできるけれど、売買タイミングを間違えてしまった」という経験がある方もいるでしょう。その失敗を最小限にとどめるための方策はいくつかあります。
そのうちの1つが、今と似たような動きが見られた過去のチャートを分析することです。一見小難しく思えても、景気サイクルなどと紐づけて考えれば、経済のしくみは意外とすっきり理解できるのです。
2023年12月をもって105冊の『会社四季報』を読破した、複眼経済塾・塾長の渡部清二氏による最新刊『プロ投資家の先を読む思考法』より一部抜粋・再構成のうえ、市場の先読み術の効果を最大化できるような投資判断について見ていきましょう。

日経平均とNYダウ平均のチャートは酷似

アメリカに比べてパッとしないと言われてきた日本の株式市場ですが、私はこれから本格的に回復してくるのではないかと見ています。「投資の神様」と呼ばれるウォーレン・バフェット氏が日本株に14年ぶりの大きな買いを入れたことも根拠の1つです。

さらに、私はあることに気づいたのです。次の図は、NYダウと日経平均の推移を重ね合わせたものです。日本はバブルの崩壊、アメリカは1929年の世界大恐慌による株価の大暴落を経験しており、なおかつ大暴落前に株価が高値をつけたという共通点があります。そこで「もしかしたら同じような動きをしているのではないか?」と考え、重ね合わせてみたら本当にその通りでした。

暴落前の最高値から最安値までの下落率は日経平均が81.9%、NYダウはさらに激しく89.2%に及んでいます。しかも、1929年9月の世界大恐慌直前のNYダウ最高値は381.17ドル。対して日経平均は1989年12月の3万8915円。当時のNYダウに100をかけると、1989年の日経平均に似た数字になります。最安値までのスピードは、NYダウが3年でわりと速かったのに対し、日経平均はかなり時間がかかって2009年3月となっています。

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