「株価が高いから」と投資しなければ好機を逃す訳 大相場が始まってしまえば大底狙いは無理

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従来、内閣府が発表する景気動向指数はDIを中心としたものでしたが、近年では景気変動の大きさや量感の把握がより重要になってきていることから、2008年以降はCIを中心とした公表形態に変化してきています。

景気動向指数とあわせて日銀短観もチェック

先行指数とは、車にたとえればフロントガラスから見える先の景色のようなものです。遠くに見えている曲がり角は、運転していればいずれ自分のところに来ます。先行指数が指し示すものは、その「曲がり角」と同じです。

変化が先行指数として数字に表れている。つまり、すでに変化は起こっているということです。今、自分はマクドナルドの横にいるけれどもその先の信号がもう見えている=この先、まっすぐ進めるか止まらなくてはいけないかが手前で予測できるということになります。

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逆に、遅行指数というのはバックミラーに映った景色だと思ってください。バックミラーに映るのは、もう通り過ぎてしまった景色です。横を通ったときは気づかなかったけれども、「ああ、そうか、あそこにマクドナルドがあったのか」とバックミラーを見て確認する。そんなイメージです。

一致指数については、もうおわかりでしょう。今、横にある景色ですね。車を運転するとき、前・横・後ろと四方八方すべてに目をやらなければなりません。どれも全部大事です。

でもあえていちばん大切なのは何か?と問われたら、「前を見ること」と答えるのではないでしょうか。景気動向指数もそれと同じです。先を読むのがいちばん大切なので、最重要視すべき指数は先行指数ということになるわけです。

なお、DIは日銀が四半期に一度発表している「全国企業短期経済観測調査」、略して「日銀短観」でよく使われています。特に、業況判断DIという企業の経営者が景気の現状や先行きをどう見ているかを示す指標は要注目です。業況判断DIは景況感が「よい」と答えた企業の割合から、「悪い」と答えた企業の割合を差し引いて算出します。プラスが景気拡大の目安、マイナスは景気減少の目安となります。

景気動向指数とあわせて日銀短観もチェックしておくといいでしょう。

渡部 清二 複眼経済塾 塾長
わたなべ・せいじ / Seiji Watanabe

「会社四季報オンライン」でコラム「四季報読破邁進中」を連載。1967年生まれ。1990年筑波大学第三学群基礎工学類変換工学卒業後、野村證券入社。個人投資家向け資産コンサルティングに10年、機関投資家向け日本株セールスに12年携わる。野村證券在籍時より、『会社四季報』を1ページ目から最後のページまで読む「四季報読破」を開始。2014年の独立後も25年以上継続中で、2022年10月1日には四季報100冊読破。2014年四季リサーチ株式会社設立、2016年複眼経済塾設立。公益社団法人日本証券アナリスト協会検定会員、日本ファイナンシャル・プランナーズ協会認定AFP、国際テクニカルアナリスト連盟認定テクニカルアナリスト

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