過去の「ジェットコースター相場」意外な"その後" 戦後の相場データを基に推移を調査した結果

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日本企業全体で見ると、業績面で輸出企業の影響が大きいわけですから、円安場面では、円安メリットを受ける輸出企業が株式市場を牽引して上昇する傾向があるのです。反対の円高場面では株式市場は下落します。

今回のジェットコースター相場の起点は7月12日です。同日の日本株の下げはアメリカで物価高への懸念が後退するなか、景気への配慮から金利引き下げへの見通しが強まり、円高となったためです。

金利が下がるとその国の通貨は安くなります。人々は金利が高くて、たくさんの利息がもらえる国にお金を預けたいと考えるのが自然だからです。お金の流れは「金利が低い国(あるいは下がる国)→金利が高い国(あるいは上がる国)」へと向かうため、金利が下がる国の通貨が売られて(通貨安)、金利が上がる国の通貨が買われます(通貨高)。これが7月12日のアメリカの利下げ観測でドル安・円高となった理由です。

株安となった大きな要因

日本国内に関して見ると、日本銀行が7月31日に利上げを実施しました。さらに植田和男日銀総裁は今後数回の利上げに前向きな姿勢をにじませたことから、年内の追加利上げの見方が強まりました。これも円高理由です。

こうした、アメリカの金利低下と日本の金利上昇観測により引き起こされた円高が8月5日までの株安の大きな要因となっています。その後、日銀の内田眞一副総裁が8月7日の講演で「金融資本市場が不安定な状況で、利上げをすることはない」と発言したことから安心感が高まり、円安・株高となり相場も反騰しました。

もちろん、9月27日の自民党総裁選、11月5日のアメリカ大統領選といった政治面での不透明感も株価の大きな変動に寄与しています。ただ、上図から足元までの相場の根底には金利見通しを背景とした円ドルレートがあることが確認できます。

このような相場環境のなかで、8月5日に日経平均株価が4451円下げ、下落率にして12.3%と史上第2位の下げを記録したことが、大きな話題となりました。また、翌日(6日)は、そのリバウンドで過去第4位となる10.2%上昇しました。

そこで過去、このように株価が大きく下落や上昇した後に相場がどのように推移したかを調べてみました。

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