「パソコンは苦手」言い続ける人に欠けているモノ 「IT革命」からすでに四半世紀も経っている

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記事では、「(DXを)やりたくないことと、リスクを取りたくない気持ちが重なっている」との関係者による分析を紹介しながら、「日本の中堅社員のDXに対する後ろ向きな意見は世界でも突出している」と危機的に報じています。

また、記事では別の調査結果も伝えています。「自社がデジタル化に十分対応できている」と答えた中間管理職の割合を国別で算出し、もっとも多かった国がアメリカで75%、次いでドイツ61%、イギリス58%、フランス56%となる中で、日本はわずか37%にとどまったといいます。

これらを総合すると、デジタル化に対応できていないことはわかっている、でも関わりたくない─そう考えているのが日本の40代の働き手であり、中間管理職であるということになるのです。

もっとも、トップダウン式の欧米企業と比較し、ボトムアップで下からの声も重視する日本の企業は、合意形成に時間がかかるという構造的な問題も抱えています。記事では「経験豊かな中堅社員は仕事のやり方を変えるのが簡単ではないことを熟知しているからこそ、後ろ向きな声が多い」とも分析しており、「日本の中間管理職にポテンシャルがないわけではない」ともしっかり伝えています。

人事評価制度を含め、日本企業の働き方そのものを点検していく必要もありそうで、一概に「日本の40代は……」という問題でもなさそうですが、あくまで一つの課題として考える材料にはなりそうです。

20代も4割が「ICTに自信なし」だという

一方、ICTの活用モードでいうと、若い世代はまったく問題ないかといえば、意外にそうでもないのです。特に近年の学生は「デバイスはスマホ一択」といった人も多く、パソコンのキーボードがうまく使えないという人がそれほど珍しくありません。

ある民間企業が約500人の大学生を対象に行った調査によると、いわゆるショートカットキーをまったく使えないという人が約2割、ワードやエクセルといった基本的なPCツールに「自信がない」と答えた若者が約4割に達したといいます。

ある編集プロダクションの社長さんに聞いた話ですが、20代の新人スタッフが、キーボードを見ないで打つ「タッチタイピング」ができないことを、入社後になって初めて知ったと嘆いていました。なぜ面接で確認しなかったのかと聞くと、「まさかそんな人が出版業界の面接を受けに来るとは思っていなかった」のだそうです。

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