「パソコンは苦手」言い続ける人に欠けているモノ 「IT革命」からすでに四半世紀も経っている

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私も大学で教鞭をとっている立場の者ですが、学生に「ICTが得意か」と聞いて「イエス」と答える人は、文系の場合は2割いかないくらいなのです。

そういうとき、私はICTに絡んだ宿題を出してみることがあります。簡単にいうと、「1週間で自分のICT技術を向上させる活動を、なんでもいいから工夫して実践し、そのビーフォー&アフターをレポートで提出せよ」というものです。

これからの「教育環境」は情報通信技術と不可分に

私の専門は教育学で、教えている学生は基本的に教員志望なのですが、現代は教えられる側の子ども全員がタブレット端末を支給されている時代です。

『40代から人生が好転する人、40代から人生が暗転する人』(宝島社)。書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします

これは文部科学省が2019年に打ち出した「GIGAスクール構想」に基づくもので、1人1台端末と高速通信ネットワークを整備した環境下で、個別最適化された創造性を育む質の高い教育を実現していこうというビジョンがあるのです。

こうなると、民間のソフトウェア企業も文科省の指導要領に合わせた「勉強サポートアプリ」などを開発してきますし、学習塾や通信教育企業でもICT化の動きが加速しています。

子どもたちの教育環境は、これからますます情報通信技術と不可分なものとなります。

そうした中で教える側が「文系だからICTが苦手でさぁ」で済むはずがありません。

卒業までの4年間で少しでもスキルアップを図り、十二分にアップデートした形で教育の現場に挑む必要があります。

齋藤 孝 明治大学教授

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さいとう たかし / Takashi Saito

1960年静岡県生まれ。東京大学法学部卒業後、同大大学院教育学研究科博士課程等を経て、明治大学文学部教授。専門は教育学、身体論、コミュニケーション論。ベストセラー著者、文化人として多くのメディアに登場。著書に『声に出して読みたい日本語』(草思社)、『読書力』(岩波書店)、『雑談力が上がる話し方』(ダイヤモンド社)、『質問力』(筑摩書房)、『語彙力こそが教養である』(KADOKAWA)、『読書する人だけがたどり着ける場所』(SBクリエイティブ)ほか多数。著書発行部数は1000万部を超える。

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