「パソコンは苦手」言い続ける人に欠けているモノ 「IT革命」からすでに四半世紀も経っている

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ICTの技術はもはやインフラとして当たり前のものであり、世の中で普通に暮らすためには、基本的なICTスキルの習得は不可欠です。「苦手」「わからない」で済むことでは無いのです。

先日、あるテレビ番組で高齢者の自動車免許の返納について特集が組まれ、75歳くらいの高齢の父を説得する奥さんや娘さんたちの葛藤が実例として紹介されていました。

どんなに免許を返納するよう迫っても、70代男性は「免許が無かったら買い物にも行けないじゃないか!」と聞き入れません。「買い物はネットでできるでしょう」と言う娘に対し、「ネットなんてわからん! 無理強いするな」と言うわけです。

しかし、考えてみればわかることですが、誰でも使えるOSの「ウインドウズ95」が秋葉原で販売されてから、かれこれ30年近くが経過します。75歳の方であれば45歳前後のときにウインドウズが日本に上陸していたことになります。

「IT革命」からすでに四半世紀が経っている

45歳といえば社会人として一番脂が乗っていた時期といえます。なぜそのとき、男性はウインドウズに触れることをスルーし(もちろんマックでもいいですが)、しかもそれ以降も含めてこの30年間、パソコンを覚えようとしなかったのでしょうか。機会はいくらでもあったはずなのです。

さらに言えば、ポータルサイトの「Yahoo! JAPAN」が開設されたのが1996年で、その翌年の97年にネット通販の「楽天市場」がスタートし、続いて「Amazon.jp」が2000年に日本でのサービスを開始しています。

「IT革命」という言葉が流行語大賞になったのはその年のことです。「革命」が起きてからもうそろそろ四半世紀が経つわけです。

当時の楽天の狙いは「地方の小さな商店でも、コンピューターに強くなくても、誰でも簡単に店を開けるようにしたいというコンセプト」(楽天グループのHPより)だったそうで、これは購入する側にも同じことが言えます。

つまり「コンピューターに強くなくても、誰でも簡単に」モノが買えるのがECサイトなのです。高齢者だからネットなんてわからない、今後も覚える気がない、従って免許の返納は断じてしない。結果として場合によっては周囲に危険が及んでもやむを得ない─。

仮にそう考えているのであれば、自己中心的な人と見られても仕方がないでしょう。

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