「80歳の壁」を軽く超える人が70代でやらないこと 「第二の人生」は"70歳"からが本番と言える根拠

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高齢者医療に携わってきた医師が語る、70代からの地図の描き方とは(写真:shimi/PIXTA)
人生100年時代が叫ばれ、平均寿命も上がっています。ですが、老後資金の枯渇問題、健康や認知症といった老いへの恐怖などなど、不安を抱えている方は多いと思います。そんな暗雲垂れ込める人生100年時代をどう過ごしたらいいのでしょうか?
「80歳の壁を破り、幸せな老後を送ることができるか否かは、70代の過ごし方にかかっていると考えている」と言うのは、30年以上の長きにわたり、高齢者医療に携わってきた医師の和田秀樹さんです。同氏の新著『わたしの100歳地図』より一部抜粋し再構成のうえ、70代からの地図の描き方についてお届けします。

個人差が大きい70代

いよいよ70代です。これまでの多くの本でお伝えしてきましたが、80歳の壁を破り、幸せな老後を送ることができるか否かは、この70代の過ごし方にかかっているとわたしは考えているわけです。

わたしがこれまで接してきた高齢者の多くの方に共通するのが、60代までは気にならなかったことが、70歳を過ぎるとどんどん増えてくるということです。体力は言うに及ばず、気力もそうですが、そういったことが見た目にもあらわれて、同じ70代でも個人差が顕著になってきます。

はたして、自分はどのようになっていくのでしょうか。これまでの人生を振り返れば、60歳からの10年などあっという間のことだと思います。実年齢よりも若い70代となるのか、はたまた老け込んだ70代となるのか、これから描く70歳の地図も、これまで接してきた多くの先輩たちの姿が参考になります。

3年以上に及んだコロナ禍の影響はわたしたちの生活に大きく影を落としましたが、とくに多くの高齢者を家に閉じ込めてしまいました。

ただでさえ70歳を過ぎると運動機能が低下し、どこにも出かけずに家で過ごしていたほうが楽だし、誰にも迷惑はかからないだろうと引きこもりがちとなりますが、運動機能が低下しているわけですから、そのような生活が続けばからだを動かすこと自体を面倒に感じるようになり、それこそ歩けなくなってしまったり、自由に動けなくなったりするリスクが高まります。

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