「80歳の壁」を軽く超える人が70代でやらないこと 「第二の人生」は"70歳"からが本番と言える根拠

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さらに、この内訳を年齢階級別に見ると、65~69歳の就業率は10年連続で伸び続けて、2021年には初めて50%を超えて50.3%となり、半数以上の人が働いていることが見てとれます。70歳以上も5年連続で上昇し、18.1%と5人に1人に近い就業率を示しています。

要因としては、人口の多い団塊の世代が2012年以降、65歳を超え始めたということもありますが、人生100年時代といわれるように、平均寿命、健康寿命ともに延びる一方、少子化などで若い世代の働き手が減少しているなど、さまざまな事由があげられます。

こういった数字からもわかるように、いまや人生の岐路は70歳からで、第二の人生は70歳から始まると言っても過言ではないでしょう。70歳はまだまだ心身ともに健康で、体力も気力もあり、現役時代と同様の生活ができる最後の活動期でもあります。

「そうはいっても、これまで家族のために一生懸命に働いてきたのだから、定年後はゆっくり過ごしたい」「70歳を過ぎてまで働きたくないよ」と言う人がいても不思議ではありません。

ボケないためにも仕事は続ける

しかし、ちょっと待ってください。これまで長く働いてきた人にとって、定年を迎え、会社を退職したことで生じる喪失感というものは想像以上に大きいものです。実際にそのような人をわたしは数多く見てきました。

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ようやく宮仕えから解放されたので、きょうからやりたいようにやって暮らしていくぞと鼻息を荒くしても、ここまでさんざん言ってきたように、小さなことでも好きなことを見つけて、どんなことにも興味をもって接しないかぎり、あっという間に毎日が平坦でつまらないものになってしまいます。

退職後、急に何もせずに家にこもりがちになると、さまざまな脳機能の老化が進み、一気に老け込んでしまいますし、そんな生活が数カ月も続けば、あらゆることに意欲がわかなくなり、動くことすらも面倒になるため、認知機能と運動機能が一気に落ちてしまいます。

そうならないためにも、70歳からの第二の人生も、仕事だけに限りませんが、継続してできる何かを見つけておくことが大切なのです。

和田 秀樹 精神科医

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わだ ひでき / Hideki Wada

1960年、大阪府生まれ。東京大学医学部卒業。精神科医。東京大学医学部附属病院精神神経科助手、米国カール・メニンガー精神医学校国際フェロー、浴風会病院精神科医師を経て、現在は和田秀樹こころと体のクリニック院長。高齢者専門の精神科医として、30年以上にわたって高齢者医療の現場に携わる。『70歳が老化の分かれ道』(詩想社新書)、『80歳の壁』(幻冬舎新書)、『60歳からはやりたい放題』(扶桑社新書)、『老いたら好きに生きる』(毎日新聞出版)など著書多数。

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