論理的ではなく「非連続的な思考」がもたらす成果 リスクもコストもほぼゼロで成果を出す方法

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本書によれば、著者のレジー・フィサメィさんが任天堂に入ったのは、任天堂にとっては、冬の時代でした。

彼は、グローバルマーケティングの担当として入りましたが、手始めにプロモーションや価格、販売戦略などを見直すのではなく、任天堂の復活への起爆剤は、記者や販売店の方が心の中に抱いている任天堂への愛や子供心に再び火をつけることだと見抜き、観客が大いに盛り上がる新商品発表会を企画するところから仕事を始めたのだそうです。

リスクもコストもほぼゼロの施策でありながら、世の中に埋まっている、ものすごく大きな資産を引き出す。これこそ「クリエイティブジャンプ」だと思いました。

非連続な思考で突破する

私の著書でも主題にしている「クリエイティブジャンプ」とは、リソースが限られている中で、論理的な思考ではなく、非連続的な思考によって、非連続な成果をもたらすことを指します。

クリエイティブジャンプ 世界を3ミリ面白くする仕事術
『クリエイティブジャンプ 世界を3ミリ面白くする仕事術』(文藝春秋)。書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします

私自身の体験をお話ししますと、北海道富良野市でペンション経営を開始した際は、とにかく他の施設と比べて見劣りしないようにすることでお客様の滞在満足度をあげようと考えていました。

富良野といえばメロンが有名なので、朝食でメロンを提供したり、オリジナルのスイーツを開発したりしたのですが、どれもうまく刺さりません。でも、いろいろと思考錯誤しながらやってみるうちに、夜に無料でお酒を楽しめるフリーフローサービスを始めたところ、お客様同士のコミュニケーションが生まれ、滞在満足度が大幅に上がるようになったのです。

同じシーズンに2度リピートしてくれるお客様や、海外からリピートしてくれるお客様も現れました。

それまでは「良いサービス」を提供しようとずっと試行錯誤していたのですが、お客様が求めていたのは旅先のポジティブな予定不調和だったのだ、と気付かされた体験でした。この、フリーフローサービスを始めたことが、ささやかながらも私たちにとっての最初のクリエイティブジャンプだった、といえます。

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