中華ECサイト「Temu」のテレビ大量出稿に思うこと 芸能人も活用、知名度上昇も…"意識すべき"現実

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90%オフとあるが、配送料は基本的には無料で、かつ90日間までは返品も無料で受け付ける。日本には「安かろう、悪かろう」ということわざがある。私のまわりのTemuユーザーに訊くと、そもそも安くて質が悪いことを前提としているから、粗悪品が届いても落ち込むこともない、という。日本人は品質を求めるんじゃなかったのかね。

そして、これは中華系企業にとって珍しいことではないが、中国にあるホールディングス企業ではなく、各国にある別会社を強調する。たとえば実質的には中国の本社が支配していても、シンガポール企業と自称しているケースがある。Temuもアメリカに登記しているから、アメリカ企業と自称したいだろう。実際に、あまり中国系ECといいたがらない傾向があるようだ。

(この、「中国企業といいたがらない」性質は、奇妙に思える。というのも自ら「中国系ECと名乗るとマイナス」と自覚しているはずだからだ。愛している自国を名乗らないとはなんという倒錯だろうか。それとも彼らは自国=中国を愛していないのだろうか)

Temuの案件とCMに思うこと

ところで、メディア人にとってきわめて厳しい話がある。自らが貧しくなったときにお金を出してくれるスポンサーがいたとする。そして、そのスポンサーは社会的に問題を抱えているとする。ちなみに、これはTemuを指していないので誤解なきよう。

そのメディアはSDGs推進を掲げているとする。しかし、そのスポンサーはどうやら商品を大量廃棄している。これはどう考えても自社のポリシーにあわない。

さらに下請け企業をピンハネし低コストで働かせることで利益を得ているようだ。それが下請け企業からの反発を生んでいる。新疆ウイグル自治区で生産された商品も扱っている可能性が高い。また自社内でも長時間労働を課しているとして、内部でも不満がくすぶる。

また個人情報の保護には疑問符がつく。あきらかに消費者の情報が横流しされ、宣伝メールが増えたという購入者からの感想が多い。商品はたんに粗悪品だけではなく、幼児向け商品など安全基準に達していないケースもあったという。

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