対話の現場/不確かな時代における若者のための対話論

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ここで質問に制約を課してみる。

「『弱肉強食』という信念の持ち主だとしたら、どのような行動を取るだろうか?」

このように問われれば信念が設定されるために考えやすくもなり、自分の人格から切り離されるために答えやすくもなる。

そのほか、たとえば次のような制約を課した質問が可能だろう。

「『他者の命を絶対に奪ってはならない』という信念だとしたら?」

「『一人でも多くの人の命を助けるべきだ』という信念だとしたら?」

自由に意見を述べるよりも、このような制約の下で考えることを出発点にしたほうが、結果として多様な意見が確保できるのである。

変化を生むのは安定かそれとも不安定か?

石田さんによると、最近は歴史小説を書く作家が増える一方で、近未来小説を書く作家はほとんどいなくなってしまったという。

読者が歴史小説に求めるものは日本古来の美学。これを保守化傾向の表れと見るべきか。また、近未来小説を書く作家がほとんどいないというのは、未来に対する希望がないということなのか。

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