iPhoneで「古い充電器」を使っている人の盲点 充電器をアップデートしないと、最新の高速充電の恩恵に授かれない

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なお、パソコンなどを充電できる45W、67W、100Wなどの大出力な製品を選ぶのも可。充電器は充電される側が電圧、電流を制御するし、PDであれば内蔵されたチップが、お互いに流せる電圧、電流を認証し合ってから充電を開始するので、大出力の充電器だからといって、大きすぎる電力が流れてスマホに負荷がかかるというようなことはない。

左から、昔懐かしい純正5Wアダプター、サイズはほぼ変わらないが、高速充電が可能なAnkerのNano 3(30W)、MacBook Airでも利用可能なNano II(45W)、MacBook Pro 14インチでも十分使えるGaNPrime(65W)(筆者撮影)

昔の付属充電器は最大5Wでしか充電できない

ここからはもう少し、詳しい話をしよう。

そもそも、スマホなどに内蔵されているリチウムポリマーバッテリーは、古くから使われているニッカドやニッケル水素などの充電池と違って、一般論として大容量の急速充電に耐えられない。20年ほど前には、バッテリーの容量と同じ電流(これを1Cと言う)でしか充電できず、そのキャパシティを越えたときには、燃えてしまったりすることもあった。

それを安全に使うために、電流を制限する回路などが設けられ、電解質・電解液に燃えにくい素材が使われるようになるなど、安全性は高くなっている。また、大電流での充電への耐性も高まっており、以前に比べて急速充電も可能になった。

最初の頃にiPhoneに付属していたサイコロのような小さな充電器は5V×1Aで、5Wの充電能力を持っている。当時はそのぐらいゆっくり充電する必要があったのだ。iPhoneの充電キャパシティは次第に大きくなっており、最新のiPhone 15 Proでは27Wまでを許容するようになっている。

昔、iPhoneに付属していた充電器は、5V×1A=5Wでしか充電できず、今のiPhoneも充電できないことはないが、非常に時間がかかる(筆者撮影)

W(ワット)数というのが仕事量で、V(ボルト)が電圧、A(アンペア)が電流。川の流れでいえば、それぞれ水量と、水位、川幅のようなものだ。実際に充電するときには、まず大きく電圧を規定して、電流量は細かく調整したりする。

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