「学校は盗撮できる環境」"加害者生徒が急増"の闇 子どもたちを守り、盗撮をさせないための防止策は
また、修学旅行などではお風呂や脱衣所での盗撮もよく起きます。特に、ホテルや旅館の中には、撮影技術が発達する前に作った間取りのままで営業してきた古い施設も多く、容易に盗撮できてしまうような場所があります」
なぜ学校の盗撮事件が「危険」なのか
環境が整ってしまっているとはいえ、なぜ、子どもたちは気軽に盗撮をしてしまうのでしょうか。髙橋弁護士はこう説明します。
「盗撮犯罪は、殴ったり蹴ったりといった傷害事件などと違って、『加害者が被害者の苦痛に歪む顔を見ないで出来てしまう』のが特徴です。
そのため、普段は優しいといわれているような、いわゆる優等生の子が、罪悪感を抱く機会を持たずに、何度も盗撮をしてしまっていたということも起きています。
また、多くの場合子どもたちは、友達同士の悪ノリで盗撮します。撮影に成功すれば、さらに悪ノリして周囲の同級生に配ってしまうことが往々にしてあります。
子どもたちはSNSで繋がっており、たった一人にしか渡していなかったとしても、あっという間に画像は広がり、大変な状況になりかねません」
髙橋弁護士はその影響に懸念を示します。
「学校内での盗撮画像のほとんどが必然的に児童ポルノにあたります。単純所持でも犯罪になるため、盗撮した生徒だけでなく、送信された生徒を含め、あっという間に数十人単位で『犯罪者』になってしまう可能性もあります。事件が発覚したら画像の所有者を見つけて削除させるなど、学校や保護者の初期対応が非常に大切になります。
また、学校外ではこうした子どもたちの盗撮画像を、欲しがる大人もいます。盗撮画像や動画を買い取ったり、ネット上で女性や同年代のように偽って、送ってもらおうとする大人もいます。彼らは強い関心を持って、子どもたちに接触しようとしますので大変危険です」