ティム・クックが熊本の小学校視察で驚いたワケ アップルと熊本を結びつける3つのキーワード

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熊本市の五福小学校の国語の授業に参加したアップルのティム・クックCEO。国語の音読をiPadに録音し読み方を工夫したり、心情を表す音楽を編集する創造性に拍手を送った(筆者撮影)

「とても感銘を受けました。子どもたち全員が、創造性を発揮して素晴らしいものを作っているところを目の当たりにしたのです」

そう語ったのは、テクノロジー業界のみならず、世界のトップ企業の一つであるアップルのティム・クックCEOだった。熊本市立五福小学校の授業に飛び入り参加した感想には、熱がこもっていた。

「クリエイティビティは、論理的思考とともに、将来必要となる中心的なスキルの一つです。iPadが生徒たちの日々の生活や学びを支えていると同時に、テクノロジーをどのように教育に生かすかを深く理解している先生の存在によって、生徒たちの学びのサイクルは、確実に加速していきます」(クック氏)

iPadがある熊本の教室

日本が国を挙げて推し進めたGIGAスクールによって、小中学生全員がタブレットやPCを用いて学ぶようになった。デバイスは何にするのか? どのように学び方を変えていくのか。活用している自治体ほど悩み試行錯誤を繰り返し、活用が進んでいない自治体ほど楽観的にとらえている。取材していて温度差を感じることも多い。

そうしたなか熊本市は大きな決意を持ってデバイスを教室に持ち込んでいる。2016年4月に発生した「平成28年熊本地震」。今なお、熊本を訪れるとその爪痕が残っているほどに、大きな被害を受けた。熊本市の教育のデジタル化は、そのときの経験と学びが色濃く反映されている。

熊本市の大西一史市長の「地震のとき、学びを止めてしまった」と、当時を振り返る顔は一段と険しい。どうすれば、いかなる場面でも、子どもたちが学び続けることができるのか。その答えが、つねに通信が可能なセルラーモデルのiPadの導入だった。

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