彼に言わせると、男性に甘えるというのは媚びたり触ったりすることではなく、『一緒に遊びに行こう』とこちらから誘うこと。男性の中には勇気がなくて女性を誘えない人がいるので、気軽に『焼肉を食べに行きたいから付き合って』と声をかけることがいい意味での『甘え』になるそうです。女性から誘うのは恥ずかしいことじゃないんだ、と知っただけで肩の力が抜けました。いま振り返ると、このアドバイスが最も有効でしたね。彼は見た目はまったくカッコ良くないのに常にNo.1。さすがだと思いました」
もともとは気の置けない友だちと気楽に遊ぶことが好きな真由さん。仕事や婚活の息抜きも必要だと思い、高校時代から部活動でやっていた合唱を社会人サークルで再開することにした。
勘違いから、カップルへ
出来過ぎの話であるが、このサークルで出会ったのが現在の夫・博之さん(仮名、38歳)だ。ただし、第一印象はそれほど良いものではなかった。
「彼は飲み会でもすごくはしゃいでいたし、女性の友だちも多いようだったので、『女性関係も派手な人なんだろうな』と感じました。でも、仲間として食事したりおしゃべりしたりするのは楽しい。こうして友だちを増やしていって、その中で恋愛できる人が見つかったらいいなと思っていました」
博之さんのほうは、初対面から真由さんを好きになった。ただし、食事に誘うことはできても、告白はできなかった。社会保険労務士として独立したものの仕事がほとんどなかった博之さん。妙齢の女性と付き合う自信がなかったのだろう。
「4回目ぐらいの食事のとき、彼がよくわらかないことをグジグジと言い始めました。『あなたのように頼りがいがある人に頼っていてはいけないと思いながら……』とか何とか。私とはもう会いたくない、ということかな?と思いましたが、『せっかく気が合ったんだから、これからも(友だちとして)付き合っていこうよ』と答えました」
すると、博之さんは急に明るい表情になり、「ラブラブモード」に突入した。どうやら「付き合う」ことの意味を友情ではなく恋愛だと勘違いしたらしい。真由さんは意外な展開に戸惑いつつも、博之さんと一緒にいることの気楽さを感じていたこともあり、勝負に出ることにした。結婚相談所に入っていることを明かし、自分と付き合うならば結婚を前提にしてほしい、と伝えたのだ。
「『結婚は今まで考えたことがないけれど、真由さんとなら結婚します!』が彼の答えでした。最初は派手に見えましたが、私のことが好き過ぎてハイテンションになっていただけのようです。役割を与えられたらリーダー役はできるけれど、普段はすごく穏やかで真面目な人だとわかりました」
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