心が強い人が持つ「他人に反応しない」技術 もう、ムダに反応するのはやめなさい
最近話題になったアドラー心理学では、「承認欲を否定しなさい」と主張します。コンプレックス・自己嫌悪を克服するために、「認められたい」という欲求は持つべきではないと考えるのです。
しかしブッダは、承認欲を否定しません。というのは、欲求を否定すれば、抑圧や不満という新しい悩みを生むおそれがあるし、「認められたい」という願いが仕事のモチベーションになることも、たしかにあるからです。
ではブッダはどう考えるのでしょうか。誰もが持ってしまう「承認欲」を否定せず、どうすれば良いのでしょうか。
「ある」ものを「ない」と考えてはいけない
まず、ブッダは承認欲を「否定せずに、まず理解する」という立場に立ちます。「理解する」とは、「ある」ものは「ある」と、冷静に客観的に認識すること。「自分の心に承認欲がある。これが自分を駆り立てているのだ」と理解してみます。
それだけでちょっと自分から「抜けた」感じはしないでしょうか。「認められたからといって、それが一体なに?」とクールに考えることも可能になるはずです。
この「まず理解する」というブッダの発想は、悩みを解決する上でかなり効果があります。「理解する」と、その後、「合理的に考えていく」ことが可能になるからです。すると、「悩み」の正体もはっきり見えてきます。たとえば、
どんな悩みも、つまり、「承認欲」から来ています。そのように悩みの正体を理解することで、「ではどう考えればいい?」という具体的な解決のステップに入っていけるのです。
ブッダの考え方では、それぞれの悩みの原因まで的確に「理解」して、そこから「抜ける」(ラクになる)ための方法を組み立てていきます。一例として、ここでは「嫉妬」という感情を取り上げてみましょう。
嫉妬の正体は、上記のように「承認欲不満」という怒りです。認められたい。でも十分認めてもらえていない。その現状に不満・怒りがあるのです。そしてその怒りを、評価の高い同僚や、順調に出世している同期、さらには同年齢で活躍する有名人などに向けている状態です。つまり、
それが「嫉妬」という心の状態です。こう理解すると、「怒りを第三者に向けている」というのは「やつ当たり」と同じだとわかりますね。じつは、嫉妬に「相手は関係ない」のです。
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