金は、供給横ばいだが、新興国中心に需要拡大は続く--ワールド ゴールド カウンシルの森田隆大・新代表に聞く

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--日本でもソブリンリスクに備え、金投資を考える人が増えているのか?

知っている範囲で、機関投資家で国債ヘッジとしてそこまで考えているところはまだ少ない。ただ、言えるのは、20年単位の長期の運用を考えている年金などにとっては、5年後、10年後に何が起きるかは関心事だ。

ある程度起きる可能性があると考えると、何らかの対策をとらないといけない、と考える人が出てくる。その辺の議論がやはり盛んになっている。

--中央銀行のリザーブカレンシー(準備通貨)としての金の位置づけは?

これまでは、多くの国で米ドルを中心にリザーブマネジメントが行われてきた。しかし、新興国を中心に米ドルのポーションを下げて、金を増やしていることは事実としてある。昨年は何十年ぶりかに中央銀行はネットバイヤーとなった。

--金本位制の実現性については?

金にはやはり量的な制約があって、量が制限されると通貨は発行できない。現在の経済を考えると、現実問題として難しいだろう。ただ、規律とか、通貨を発行するうえでの根本的考え方とか、そのあたりをどのように考えたらいいのか、いま模索しているところだろう。その中で、金が1つのアイデアとしていろんな発言が出ている。

--代表に就任後、力を入れていく点は?

個人投資家に興味がないというわけではないが、今後のフォーカスは機関投資家に当てていきたい。これまではどちらかというと、金を単体でとらえていた。金のボラティリティや、金はキャッシュフローを生まないだとか、金のバリュエーションは難しいだとか。

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