金は、供給横ばいだが、新興国中心に需要拡大は続く--ワールド ゴールド カウンシルの森田隆大・新代表に聞く
中国やインドが新興国としてどんどん力をつけてきた。この両国は文化的に金と近く、可処分所得が増えてくるにつれ、金を買う量が増えていった。
--供給面の変化はあるか?
鉱山の生産量はほとんど変わっていない。新しい鉱山の発見もあまりない。その結果、価格レベルはじわじわと上がっている。この傾向は根本的に大きく変わる方向性にはない。現在金利は世界中どこでも低い。
特に実質金利はマイナスの状況なので、実質金利が大幅に上昇したときに、比較要素として金にどういう影響を与えるかは考えるべき要因だ。しかし、米国の場合、今後2年くらい金利上昇は考えにくい。欧州も同様だ。
より根本的には、金利が上昇してくる際は、景気は一般的によくなっている。とすると、株式や債券もよくなる。金は株式などの伝統的資産と違った動きをすることが多く、株式の魅力が上がり、安定性が高まると、金の役割は減っていくことになる。
--米ドルと金の関係は?
たとえば、長期間をとったときに、すべての期間でドルと逆相関かというと、そうではない。ただ、長期的に見たときに、ほぼそういう関係は成り立つ。短期投資の場合は、ドルとの逆相関が成り立たないこともあるが。
--金のETFについて、どのように見ているか。
機関投資家が金に投資するときに、現物を持つのは難しかったが、ETFの登場で非常に買いやすくなった。2000年代に金の価格や需要が高まった要因の1つは、ETFの貢献があったと思っている。投資したくても、いろんな制限があってできなかった人に、ETFの貢献がソリューションを提供した。
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