金は、供給横ばいだが、新興国中心に需要拡大は続く--ワールド ゴールド カウンシルの森田隆大・新代表に聞く

金に関する調査機関「ワールド ゴールド カウンシル」の新しい日本代表に、格付け会社ムーディーズ出身の森田隆大氏が10月1日付で就任した。森田新代表は「今後は機関投資家にフォーカスを当て、ポートフォリオの1つとしての金に関する情報や分析を積極的に提供していきたい」と述べた。森田氏に金市場の動向を聞いた。

--この数カ月、金価格が激しく変動しています。

ユーロ圏の問題や米国経済の見通しなど、マクロリスクをどうとらえるかで価格がかなり動いた。現在1トロイオンス当たり1600ドル台半ばだが、1回価格が下落して戻るパターンはこの1~2年続いている。

--背景に何があるのか。

1つは、マーケットのコレクション(修正)があるときに、インドや中国の投資家の実需買いが入り、価格を下支えしている。また、1980年代や90年代と比べると、当時は中央銀行が金を盛んに売却しており、中央銀行の準備資産の構成もどちらかというと米ドル中心だった。金はキャッシュフローを生まないので、米ドルの信頼性が高いのなら、米ドルでいいのではないか、という考えがあった。

しかし、2000年代に入り、中央銀行はネットで売り手としての側面が薄まり、10年にとうとうネットで買い手になった。つまり、それまでの中央銀行は金の供給源だったのが、需要家に変わった。それは1つの大きな変化だ。

--それ以外の要因は?

マクロ的に考えたときに、ソブリンリスクも出てきた。これは80年代や90年代において、先進国でこれほど大規模、広範囲に起きるとは考えられていなかった。当時価格は低迷していたので、鉱山会社によるヘッジ売りも大きな構造要因として考えられていた。

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