スキル向上のために退職は嘘?辞める若手の本音 賃上げできずにどんどん社員が辞める企業も

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待遇の悪さを理由に転職するケースはこれまでもありましたが、近年は特に増えています。

主な原因は3つあると考えられ、1つ目は大幅な賃金の引き上げを行う会社が増えていることです。

日本経済団体連合会が2024年5月に発表した春季労使交渉の調査では、定期昇給を含めた月例賃金の引き上げ率は5%超で、引き上げ額は1976年以降で最高を記録したと公表しています。

また、調査対象に中小企業の割合も多い日本労働組合総連合会の春闘の中間まとめでも定期昇給込みで5%超になったと公表しています。

大幅な賃上げがこれほどニュースで数多く取り上げられ、「春闘で満額回答」などの言葉が躍るなかで、自身の会社で賃上げの話が出なければ、会社に対して不安を感じてもおかしくはありません。

2つ目は少子高齢化で労働力人口が減り、売り手市場になっているということです。ステップアップのために転職をすることも当たり前になりつつあります。

テレビでは転職を促すCMが多く流れるようになりました。大手求人サイトには「転職後に年収が増加した人が〇割」「前職と比べて平均〇万円以上年収が増加している」などと転職を勧める広告が並びます。そのような数字を見ると転職するか心を揺さぶられることでしょう。

3つ目は最低賃金の増加です。物価高騰を背景に2023年の最低賃金は全国加重平均で4.3%増、金額にして43円も引き上げられました。

その結果、最低賃金額の上昇に月例給与の昇給が追い付かずに困っている会社もよくみます。従業員にとって月給が上がることは嬉しい反面、これまで賃上げがなかった職種では最低賃金に追い付かれてしまうケースもあり、「私の仕事は最低賃金なのか……」とショックを受けてしまうこともあります。

賃上げできないことによる影響

賃上げができないことでどういったことが起きるでしょうか。

まずは前述のとおり会社に不安や憤りを感じて退職する従業員が出てくるでしょう。賃上げがないことだけで転職する人ばかりではありませんが、多少なりとも離職率に影響を与えます。

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