スキル向上のために退職は嘘?辞める若手の本音 賃上げできずにどんどん社員が辞める企業も
経団連が発表した2024年春闘の第1回集計によると、大手企業の月給の賃上げ率は5.58%で、比較可能な1992年以降で過去最高を記録するなど、世の中の賃上げムードが高まっています。一方で、実際には賃上げしたくてもできない企業が多く存在します。
賃上げは社員の定着率にも直結する重要な問題です。賃上げできないことで社員がどんどん辞めてしまう企業が、負のスパイラルから抜け出すにはどうすればよいのでしょうか? 社会保険労務士の馬場順也氏が解説します。
賃上げできずに社員が辞めていく会社の事例
「大変お世話になったのに申し訳ないのですが、もっと多くのことに挑戦してスキルを磨きたいので、退職することを決意しました」。そう言ってきたのは28歳の男性社員Aさん。
仕事をしっかりこなし社内でも評判がよく、新入社員の手本になるような人物でした。上司のBさんは内心「またか……」と思いながらも話を聞いていくと、やはり退職を決めた本当の理由は別にありました。
「仕事にやりがいは感じるが、今の給料では彼女と結婚することが難しい」、「転職先では住宅手当などの手当もあり、年収が100万円以上もあがる」、「ベースアップや昇給がある」。
Bさんの会社では近年、表向きの退職理由はスキルアップや家業の引き継ぎなどですが、実際は待遇の悪さに嫌気が差して辞めていくケースが増えてきていたのでした。
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