日本の賃金デフレの意外な共犯者は「定期昇給」だ 物価も賃金も上がらない「ゼロノルム」を後押し

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経済、定期昇給のイメージ写真
(写真:artswai/PIXTA)

ここ数年、日本銀行やメディアが「ノルム」(社会通念)という言葉を頻繁に使っている。

1990年代後半以降の金融危機や長期的経済停滞を受けて、物価も賃金も上がらないというノルムが日本社会に定着してしまった。これこそが脱デフレの足を引っ張る最大の要因であり、歴史的な世界インフレを奇貨とした本格的な賃上げでこのノルムが払拭されるかが焦点となっている。

物価も賃金も上がらないというノルムをゼロノルムと呼ぶ。そもそもなぜ、日本にゼロノルムが定着したのか。その原因としては、長期停滞の中で企業が値上げを実施すると販売減少に直面するのを何度も経験してきたこと、経済危機時に労働組合が雇用を維持させる代わりに賃上げを事実上放棄したことが挙げられている。

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