「死んだら、私の財産、誰に行く?」トラブル防ぐコツ 「"あげたくない人"に渡る」「棚ぼたケース」も

✎ 1〜 ✎ 5 ✎ 6 ✎ 7 ✎ 最新
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

Eさん夫婦の財産は、すべて夫名義にしていました。

Eさん夫婦のように、夫婦2人で築いた財産とはいえ、財産の名義は夫、というケースは少なくないでしょう。

子どもいない夫婦は「妻が先か」「夫が先か」で大変化

【①妻が先に亡くなった場合]

財産の名義は夫で、妻名義の財産は特になかったため、妻の死による相続手続きで財産が移動することはありませんでした。
しかし、その後夫が亡くなると、夫の両親もしくは兄弟姉妹が相続人となり、夫婦で築いた財産は、夫と夫の血縁者のみが相続する形になります。
【②夫が先に亡くなった場合】

子どもがいない夫婦の相続ルールに従えば、妻が3/4、夫の兄弟姉妹が1/4を相続することになります(夫の親が存命なら妻2/3、親1/3)。
その後妻が亡くなると、妻が相続した財産(3/4あるいは2/3)は、妻の両親もしくは兄弟姉妹が相続します。
結果的には、夫の血縁者が1/4(あるいは1/3)、妻と妻の血縁者が3/4(あるい2/3)を相続する形になります。

このように、夫が先に亡くなるか、妻が先に亡くなるかによって、遺産の行方はまったく違うものになるのです。

「財産なんてほとんどない」のであればたいしたことではないのかもしれませんが、それなりの財産がある場合は、かなり大きな問題ではないでしょうか。

お互いが上記のような相続パターンで納得しているなら問題はないのですが、「どうしても自分の親族に財産を遺したい」などの希望があるなら、遺言書や家族信託など、「事前の準備」が必要です。

次ページ血のつながりはなくても相続人になるケース
関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事