先代では、追加モデルという印象だったCROSSTARは、2024年6月に発売された新型フリードでは、標準仕様のAIRとともに「選べる2つのテイスト」という位置づけになり、メイングレードの1つとなった。
新型フリードはパッケージング、操縦安定性、ADAS(先進運転支援システム)の最適化、エンジン+CVT制御の精度向上、「フィット」での導入から改良を重ねたホンダ独自ハイブリッドシステム「e:HEV」の進化、さらには4輪駆動車の性能向上など、内容も盛りだくさん。
また、ボディサイズは、CROSSTARで全長4310mm×全幅1720mm×全高1755mmでWR-Vと近く、ミニバンであっても競合になりうるのだ。ただし、価格帯は281万2700円からと、WR-Vより高い。
フリードのライバルは「3列シート車」だけじゃない
横浜市内で実施された報道陣向け試乗会で、開発責任者の安積悟氏に、WR-Vとの違いを聞いた。質問の意図は、SUVテイストのフリードCROSSTARは、WR-Vと競合になるか。
フリードCROSSTARをコンパクトなSUVだという見方をすれば、ひとつ下の価格帯に位置するWR-Vと比較検討する人もいるのではないか、と考えたのである。
これに対して、安積氏はあくまでも「SUVのスポーティなデザイン特性」を理由に、「フリードとWR-Vのカテゴリーの違い」を強調するにとどまった。
また、フリードの競合車として、安積氏が挙げたのはトヨタ「シエンタ」「ルーミー」、ダイハツ「トール」の3車種。同じ3列シートのシエンタを挙げたことは当然としても、2列シートで価格帯も低いルーミー/トールの名前が出たことに、筆者は少し驚いた。
乗車定員や価格帯の違うルーミー/トールがフリードと競合になるとすれば、ユーザー視点ではフリードCROSSTARとWR-Vが同じテーブルに乗ることあるだろう。
フロンクス、WR-V、フリードCROSSTARの3車種は、ミニバンとSUVという違いはあっても、ユーザー目線では広い意味で同じカテゴリーにあるクルマのように思える。
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