WR-Vから見た「フロンクスvsフリード」競争図式 ユーザー側から変わるコンパクトSUVの概念

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フロンクスと同様、インド生産のグローバルコンパクトSUVなのだが、サイズ感やコンセプトの方向性はフロンクスとまったく違う。パッと見の印象は、フロンクスよりだいぶ大きい。

スクエアなデザインで「SUVらしさ」を強調するホンダ「WR-V」(筆者撮影)
スクエアなデザインで「SUVらしさ」を強調するホンダ「WR-V」(筆者撮影)

実際に全長4325mm×全幅1790mm×全高1650mmのボディサイズは、価格を抑えたコンパクトSUVとしては大きめで、さらにガッチリとした面構えと長い目のフロントノーズが、クルマをより大きく見せる。

運転席に座ってみても同様だ。フロントノーズが長いことで、実寸以上に大きなSUVに乗っている感覚になる。

走りの味もフロンクスとは異なり、いうならば“まったり”走る。それでも高速道路では、旋回中のクルマの動きとドライバーの意思がしっかり同調するところに、ホンダらしい走りへのこだわりを感じる。

エンジンは、フロンクスと同じ1.5Lでハイブリッド機構などは持たないが、ドライバーが鈍さや重さを感じることはなく、ほどよいパフォーマンスだと言える。

200万円台前半という価格も追い風に

後席スペースや荷室はミニバンのような印象で、このクラスとしてはかなり広い。

開発責任者の金子宗嗣氏は、「開発期間がコロナ禍と重なり、市場だけでなくオンライン主体の働き方への移行などから、グローバルでのライフスタイルの変化を実感した」と、タイのホンダR&Dアジアパシフィックによる日本仕様を含めた、WR-V量産開発の経緯を振り返る。

「WR-V」は荷室や後席の広さも十分に広かった(筆者撮影)
「WR-V」は荷室や後席の広さも十分に広かった(筆者撮影)

こうして誕生した「他に類のない新種」ともいえるWR-Vの国内での価格は、209万8800円~248万9300円。4輪駆動のハイブリッドもないが、この「お得感」がWR-V人気の背景にあることは間違いない。

次に、フリードCROSSTARだ。フリードは、ご存じのように3列シートを基本とするスライドドアのミニバンだが、2列シート仕様もあり、CROSSTAR(クロスター)というSUVテイストのモデルもある。

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