スズキの新型コンパクトSUV「フロンクス」の日本仕様プロトタイプを、静岡県内のクローズドエリアで走らせた。
フロンクスは、スズキがインドで生産し、インド国内のほか、中南米、中近東、アフリカ等ですでに販売しているグローバルカーだ。
今回は日本仕様プロトタイプのため、ボディ寸法は公開されていないが、例えば南アフリカ仕様では、全長3995mm×全幅1765mm×全高1550mm、ホイールベースは2520mmとなっている。日本仕様も、ほぼ同等であろう。
外観デザインについて、スズキは「SUVの力強さと流麗なクーペスタイル」と説明する。
このクーペスタイルという言葉が、さまざまな面でフロンクスの商品性を表現していると感じる。
商品企画やテクニカルな面の説明は後回しにするとして、まずは試乗の感想からお伝えしたい。最初に乗ったのは、前輪駆動車(FF)モデルだ。
素直に「楽しい」と思える走り
ドライバーズシートに座ると、なるほどクーペの雰囲気が強い。ダッシュパネルは水平基調で、ドライバーには“囲まれ感”がある。
前方視界は広々というより、クーペとしてのスポーティ性が先行する印象。ただし、決して車内空間が狭いという気持ちにならないし、前方や側方に対する見切りについてもクーペとしては十分だ。
パワートレインは、1.5リッターのガソリンエンジンで、比較的静かに始動した。1周約5kmの起伏が激しいワインディングコースに入る。
強く感じるのは、ステアリングの手応えである。クーペといえども、このサイズのSUVであれば、もう少しソフトなステアリングのフィーリングを予想してしまうが、実際にはしっかりとした手応えがあり、素直に「運転が楽しい」と思う。
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