「ギリシャの次」は、本当に日本なのか?

債務問題の本質がわからない「残念な人々」

「日本も今のままだと、ギリシャの二の舞になるわよ」。この写真を見て、独メルケル首相がそんなことを言っているのだと思ったら、間違いだ。ギリシャと日本の状況は全く違う(写真:picture alliance/アフロ)

金融市場の注目を集めたギリシャ支援の交渉は、紆余曲折を経て「第3次金融支援策」(総額820億ユーロ、約11兆円)の交渉で合意に至った。金融市場の観点では、ギリシャのユーロ離脱などの不確実性(テールリスク)が和らぎ、これが欧州株を中心にリスク資産の買戻しをもたらした。日本株も7月21日には日経平均株価が再び年初来高値に接近、ギリシャ問題はもはや市場にとっては過去の出来事になりつつある。

筆者を含め、この問題に振り回された金融市場関係者が多かったわけだが、なぜこの問題が長期化し、市場のリスク要因としていまだに残り続けるかについて、しっかり考えることは必要だろう。

「ギリシャ債務危機=日本も危機」は正しいか?

というのも、ギリシャの債務危機が金融市場を揺るがす話がでると、それ以上の公的債務を抱える「日本への警鐘」という議論が識者からでてくる。2011年に欧州債務問題がより深刻だった前職時にも、筆者は個人投資家の方々からこの点について何度も質問をいただいた。そのたびに「日本と欧州は全く異なります。日本では欧州のような財政危機は起こりません」という趣旨の説明を行っていた。

実は、先日もあるセミナーで、日本経済について講演をする機会があったが、「日本の財政は本当に大丈夫ですか?」(どうやら日本国債に投資する投資信託をご購入された方だったようだ)というご質問を頂戴した。セミナーでは日本の財政状況について説明したうえで、欧州のような事態には至らない理由を説明したのだが、筆者の力量不足ゆえだろう、納得いただけなかったようだ。

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