臼井さんは幼少期に同級生に馴染めなかった孤独もバネにして、起業家としての成功を掴むための鍛錬を積んできたのだろう。それが“多額の収入”という、分かりやすい指標を達成してしまったことで、燃え尽きてしまったのかもしれない。


「仕事にはやりがいを感じています。でも強いていえば、ひとつの成功の形が見えてきた頃に、『世界に対する僕の立ち位置は、これでいいのだろうか?』というような、漠然とした不安に苛まれてしまったんです。その頃は、不眠症になりかけていましたね。
眠れない日々が続くなかで、僕は『自分が心から好きなことって何だろう?』と考えざるをえなくなりました。先々の成功のためだけではなくて、今の自分のためにも時間を使わなくては、人間的に脆くなってしまうと分かったのです。その時の反省が、引っ越し後の今の部屋に反映されているかもしれません」
友だちと過ごす時間が幸せ、全力で楽しむ
成功した仕事を続けていくには、成功を目指していた頃とは違った心の在り様が必要になる。精神のバランスを崩しそうになった臼井さんが探求した「今の自分が心から好きなこと」とは何だったのだろうか?
「その時、僕が好きなのは『友だちと過ごす時間』なんだと、気づいたんです」
中学校までは、学校で浮いていたという臼井さんだが、国際基督教大学の付属高校時代からは、親しい友人ができるようになった。同大学時代はラグビー部に所属し、チームメイトを部屋に呼んで料理を振る舞っていたという。
「幸いなことに、我が道を行くうちに僕を理解してくれる友人が増えていきました。就職してからは、仕事に集中しすぎて友人との時間も削りがちだったのですが、今は意識して友だちと交流する時間を持つことにしています。
そういうときもダラダラするのは嫌なので、体育館を押さえて全力で運動したり、ビジネスアイデアをブレストしたりすることが多いです。今は気の合う友だちが多いので、一緒に楽しんでくれますね」
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